16 March, 2012

Twitterが切り開くソーシャルコマースのこれから

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先日のPosterous買収の影に隠れてしまった感もあるのですが、その2,3日ほど前にTwitterとクレジットカードブランド、American Expressが発表したパートナーシップから生まれたプログラムについて、いろいろ情報が集まってきたのでご紹介したいと思います。

個人的に今回のプログラムによって、Twitterは様々な取り組みが行われているソーシャルコマースの中でもかなり有力なプレーヤーになれるんでないかと思っていたりします。

"tweet your way to savings"と名付けられたこのプログラムは、American Expressのクレジットカード利用者に、カードIDにTwitterアカウントを連携させ、特定のハッシュタグつきでつぶやくことによって、それぞれのハッシュタグならではの特典をAmerican Expressのカードを通じて享受できるというもの。



既に、マクドナルドやBestBuy、Zappos、Dell、Whole Foods、H&Mといったビッグブランドが参加を表明しており、例えば、”#AmexWholeFoods”というハッシュタグつきの投稿を行うと、次回のWholeFoodsでの買い物の際、20ドル分のキャッシュバックを受け取ることができたりする模様。(75ドル以上の買い物を行うことが条件。有効期限は4月中。)


American Expressは以前にも、Foursquareと同様のパートナーシップをプログラムを実施していましたが(チェックインすることでキャッシュバックが得られる)、今回のTwitterとのプログラムはより大きなブランドの露出とソーシャルグラフ内での新規顧客の獲得を可能にしうるものだと思います。

上記に挙げたWholeFoods以外にもDellは599ドル以上の購買を行い、かつ#AmexDellつきのツイートを行ったユーザーに対して100ドルのキャッシュバックを、Virgin Americaはチケットの10%オフを行う、としてしています。

現段階ではまだ完全な意味でのターゲッティング(特定アカウントのフォロワーに限定すること、フォロワー数の最低数を設けることなど)ができないという点が課題として残りますが、これまでのソーシャルコマースの取り組み(クレジットカードで購買したものを購入時に自動的に可視化させるなど)といったものに比べて、インセンティブが明確にあり、かつそのインセンティブも直接的な点が大きく異なっています。

また、このプログラムではTwitterのROI(投資対効果)を明確に測ることができるのも非常に画期的な点。

アメリカでは、SquareやNFC技術を活用したGoogle Walletなど様々なプレーヤーが取り組んでいるソーシャルコマースの分野。

日本にもこのようなソーシャルコマースの一歩進んだ取り組みが出てくると思いますが、どのようなスキームになるのか注目したいところです。


【参考】
The Social Credit Card: AmEx Syncs With Twitter To Turn #Hashtags Into Savings | Fast Company
American Express transforms Twitter hashtags into savings for cardholders | VentureBeat
AMEX’s new Twitter integration is “brilliant” marketing | VentureBeat

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03 March, 2012

タイムライン対応だけじゃない!Facebookのこれからについてマーケターが押さえておくべき10のポイント

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2月29日のfMC NYCで発表されたFacebookページの仕様変更に伴い、様々な情報が錯綜しましたが、その全容を日本語でしっかりまとめていた記事がなかったので、メモがてらまとめてみました。(日本語記事であまり触れられていない点を中心に。)


1. Facebookページにおける投稿をそのファンにしっかりと届けるための新広告商品、Reach Generator

「Facebookページの投稿は実際にはそのファンのうち、16%以下しかリーチしていない」というデータがfMCにおいて公表され、ブランドによるFacebookの無料機能以外の利用が進むよう新たな広告商品、Reach Generatorが発表されました。


Facebookのプレミアムアカウントになることで利用可能になるこのReach GeneratorはFacebookページの特定の投稿を、ファンのニュースフィード(PC、モバイル共に)、右サイドのバナースペース、さらにログアウト画面にも表示させることで、そのリーチをファンの75%以上まで高めます。(テスト時の最も高いリーチ率は98%にもなったとか)




価格については、ファン数に応じて変化するとのこと。


2. 新登場の投稿形態、Facebook Offers

12月から実装されていましたが、正式に発表された新たな投稿タイプがクーポンやキャンペーンの告知に特化したFacebook Offer。



Macyが実際に行った上記投稿からわかるように、その効果、有効期限も記載されており、クーポンであることが一目で分かるデザインとなっています。

これを上記のReach Generatorと組み合わせることでキャンペーン情報をより多くの人に知らせることもできるのではないでしょうか。


3. インサイトのリアルタイム化



ここ数日、インサイトに遅れが出ていましたが、ついにインサイトのリアルタイム化が実装されました。
これにより、より迅速なコミュニティマネジメントが可能になることは間違いありません。


4. インサイト情報のオープン化

管理権限者以外はほとんど取得できなかったインサイトデータが、これまでに比べて大幅に開放されました。
新たに公開された情報は以下。
①最もユーザーがアクティブに閲覧した日
②最もファンが存在している市
③ファンが最も多いユーザー層
④過去1ヶ月の新規いいね!推移、話題にしている人推移


以下のスターバックスのFacebookページのインサイトデータをみるとわかりやすいかと思います。(https://www.facebook.com/Starbucks/likes)



5. アプリの表示レイアウトの変更

アプリの表示レイアウトが4つのみが表示されるようになりました。
アプリ自身の表示サイズも変更。それぞれ、アプリ画面のサイズは111×74 pixel、アプリ表示画面の幅は810 pixelとなりこれまでよりも50%以上大きくなりました。


これらの変更によって、ビジュアルの工夫次第で、ファンが自発的にアプリを起動する可能性も高まり、アプリ自体の表現可能性も高まるのではないかと思います。


6. Facebookページに対して、メッセージを送れるようになった




(オフに設定することも可能ですが、)Facebookユーザーがブランドに対して、直接個別的なメッセージを送ることができるようになりました。

この機能追加によってなんらかの危機が発生した際には、Facebookがその窓口になりえるのではないかと思います。


7. ランディングページがなくなる

これまで可能だったFacebookページに到達した際のページ設定ができなくなりました。
これによって、Facebookにおけるファン増加のための戦略は変更させられる可能性があります。(Facebook広告のランディングとしてアプリを設定することは可能)


8. 投稿のハイライト機能




これまで存在したFacebookページからの投稿、ユーザーからの投稿を切り替えはできなくなってしまいましたが、その代わりにユーザーによるFacebookページへの言及投稿をまとめて非表示にすることや文面の変更を求めることなどが可能になりました。これはコミュニティマネジメントの観点からみると非常に有用な機能ですね。


9. 投稿編集機能


それぞれの投稿について以下のような編集が可能になりました。
・ピン留め(7日間有効)
・スターによる拡大表示
・ファンの投稿の非表示化(削除する必要がない)
・マイルストーン投稿(過去の日付にハイライト的な投稿が可能)


10. カバー写真の設定が可能




こちらは様々な情報が既に発信してありますが、プロモーション情報、連絡先、アクション喚起、いいね!やコメントなどへの言及は禁止となっています。

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以上、しっかり押さえておきましょう!:)
(それぞれの詳細については3/16に開催されるfMC Tokyo 2012で紹介される部分もあるかと思います。)

個人的には、今回のFacebookの仕様変更はFacebookにおける"ファン"を本来的な意味での"ファン"に近づけていくための取り組みであり、非常に好感をもっています。

短期的なインセンティブキャンペーンではなく、タイムライン機能を活用したストーリーの提示などファンとのエンゲージメントが深まる取り組みが増えることを期待しています。


【参考】
10 changes to Facebook you need to know / We Are SocialFacebook Reveals Mobile News Feed Ads and Massive Logout Page Ads | TechCrunch
Business Data Reporting In 5-10 Minutes, Not Days. Facebook Rolls Out Real-Time Insights | TechCrunch

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※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!