22 February, 2011

位置情報サービスがもたらす未来

先日読んだ、「フェイスブックって古くない?」という煽りっぽい記事を受けて。

Facebookの次に来るといわれているサービスには、写真共有やQ&Aなどいろいろありますが個人的に位置情報がこれからどうなっていくかに興味があるので、記事にあったもの以外にどのような使い方をされているのか知っているものをいくつか。

位置情報サービスの面白いところは、「位置というリアルな情報をフックに新たな価値が生み出せること」、だと思っています。

例えば、先日アメリカで行われた中間選挙に合わせ、foursquareが行った「ivoted.com」では投票所でチェックイン可能にすることによって、そのユーザーが投票に行ったことがわかり、それがfoursquareでつながっているユーザーだけでなく、FacebookやTwitterでつながるユーザー、友人へと波及していくことであの人が行ったなら私も行かなければといった「穏やかな強制力」が新たな価値として生み出されました。(ivoted.com上で確認できるチェックイン数は20,000以上)
【関連】中間選挙とFoursquare "I Voted" Badge:太平洋の向こう側:ITmedia オルタナティブ・ブログ



また、Facebook Placesを活用したキャンペーンLove UKでは、チェックインという機能を活用し、イギリスといえばという観光スポットの中でも多くの人が訪れる場所(チェックインされる場所)を顕在化させることで、新たな価値を生み出しUser Generatedな観光ガイドを作ることに成功しています。【関連】Facebookのチェックイン機能“Facebook Places”を活用したキャンペーン事例5選 【三橋ゆか里】



さらに、先日過去最高の視聴率を記録したグラミー賞の今年のキャンペーン、「MusicIsLifeIsMusic」ではGoogleマップ、Foursquare、Facebook、Twitter、Rdio、QRコードなど最先端の技術を組み合わせ、思い入れのある音楽とそれに纏わる場所を広く共有できるプラットフォームを作り出し、位置情報に過去の思い出という新しい価値を結びつけることでユーザー間のコミュニケーションを生み出していました。
【関連】グラミー賞が作った「音楽の世界旅行」を楽しめるSNS的なデジタル・プラットフォーム



ここに挙げた事例はまだまだほんの一部ですが、まだまだ位置情報サービスの活用は未開拓の分野です。foursquareを活発に利用している国として日本はかなりの地位を占めているのならば、位置情報サービスの次のクリエイティブなアイデアは是非日本から出したいところ。

これからも研究していきたいと思います。

FacebookとGoogleが対比される理由

最近、いよいよFacebookがとても騒がれるようになりました。
ネット上だけでなく、映画の影響でリアルな場でも。
(もちろん日本のユーザーは450万人程度でまだまだこれからですが。)

そんな中でネットを見てると、Facebookの台頭をGoogle時代からのシフトのように描き、対比する記事に多く出会ったのですが、なぜ比較されるのか分かりませんでした。

Googleは検索エンジンの会社でFacebookはSNSの会社ではないか、と。

その理由が、ループス斉藤さんのブログ,「なぜ、Facebookだけが、キャズムを楽々と超えるのだろうか?:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ」 をみて分かった気がしました。

Facebookのミッションは「世界をオープンにし,つなげること」ですが,そのためのアプローチが、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というGoogleのミッションに絡んでくるからではないか,と。

Googleは言うまでもなく、その技術で情報を整理し、その検索窓を通じて提供している会社。
すなわち、整然としていない世界を前提に検索技術によって整理を行い、アクセス可能で使用可能にしています。情報整理の背景となる考えは「多くリンクされる情報は重要」ということ。

一方、facebookはその実名制に則ったユーザーの行動範囲をfacebook connectという連携技術を用い、外部に広げていくことで情報を整理していく。(事実,アメリカの新しいwebサービスはほとんどこの技術を採用し,facebookからトラフィックとソーシャルグラフを引っ張ってきています。)
すなわち、友人関係というアクセス可能なソーシャルグラフを基盤に使用可能かつ整理された世界を広げていくというGoogleとは真逆のアプローチ。Facebookは「友人による情報は重要」という考えを基盤としており,ここでも異なる考えが採用されています。

Facebook以前のSNSもソーシャルグラフがあったはずで同じようなアプローチは可能だったはずですが、ユーザー数が少なすぎて現実味がありませんでした。
しかし、Facebookはその実名主義によって非常にsearchable(誰にでもアクセスできる)なサービスであったため、それによってネットワーク効果の威力がまし,ユーザーが6億人を超えたため、いよいよそのアプローチが現実味を帯びてきたのではないでしょうか。
だからこそFacebookは注目されており,同時にGoogleと対比されるべきなのかもしれません。

これからどうなっていくか注目したいところ。

05 February, 2011

ソーシャルメディアがもたらすものと課題だと感じるもの

僕は留学中に受けたメディア系の授業"Digital Media across Asia"以来,twitterやfacebookのような新しいメディアに興味を持ち,就職先でもそれらに関わる仕事をさせていただく予定でいます。

春休みに入り,ちょこちょことお仕事に関わらせていただいているのですが,そんな中で考えたことを頭の整理の意味でつらつらと書いてみます。


一般にソーシャルメディアと呼ばれるそのようなサービスがもたらすものとして一番大きいのではないかと思うのが,

「現状の場所,時間,人間関係を超えて人や情報とつながれる」

という点。


僕個人の経験としても留学中も日本の情報はリアルタイムに知ることができたし,友人の近況も知ることができていました。

さらに,仕事自体もtwitter経由で内定をいただき,その力の大きさを実感しました。


ただ一方で,残念だなと思うのが,現状ではその恩恵を受けているのが,ほんの一部の人でしかないということ。

現在のtwitterやmixiの利用率はインターネット人口の2割にも達しないレベルであり,
若い世代がデジタルネイティブと言われているとしてもインターネットの効率的な使い方なんて学校では教わることはありません。(学校の情報の授業で習ったのはフロッピーディスクの使い方やそれぞれの名称とかだった記憶が。。)


対照的に,現在そのような状況をアメリカで変えつつあるFacebookはアメリカのネットユーザー利用率7割,総人口比5割に達しています。

FacebookのCEO,マーク・ザッカーバーグは自身のサービスを「ガスや水と同じ公益事業」と述べており,これからの社会におけるインフラになるとしています。

僕は上記のような経験がある故,ザッカーバーグの意見に同意していて,もしFacebookやTwitterのようなソーシャルなサービスが公益事業=社会インフラとして社会で広く認知されるようになれば,Chikirinさんの「ネットに超クールな“職業データベース”が出来つつある」のような形で,それぞれがそれぞれの目標に向かって有機的につながれる社会ができるようになるのではないかと思っています。

日本でそのようなメディアがもたらす恩恵を最大化していくお手伝いをしながら,普及率,リテラシーの両面で貢献していければと思います。

また,このブログでも新たな技術がもたらす影響について考えながら書いていければと思っています。

04 February, 2011

はてなより移転

2011年ははてなより移転してBloggerで書いていきたいなぁと思います。

理由としては,

1. はてな記法が快適でなかった。
2. 学生から社会人に変わる年でもあるので,心機一転。
3. about.meにアイコン付きで載せられるブログが使いたかったもののwordpressは敷居が高かったこと。

の3つです。

ちなみにタイトルのEffluxは「発散する」という意味。
ブログ書かないと,アウトプットが減って思いついた考えを溜め込んで悶々としたり,
忘却の彼方に行ってしまいがちなので,気軽に思いついたことを書いていける場にしたいと思います。

お付き合いいただけると幸いです:)