30 June, 2011

QRコードのクリエイティブな利用法3選





以前『ソーシャルメディア×リアルなキャンペーン3+1事例』という記事を書いたのですが、同じようにオンラインとオフラインを繋いでいる事例、特にQRコードを使ったものがThe Next Webにいくつか紹介されていましたのでいくつか抜粋したいと思います。

QRコードは日本ではだいぶ前から広く使われていましたが”Only in Japan”とはまさしく、日本以外ではほとんど使われていませんでした。しかし、北米でも2010年7月から2010年11月までの4ヶ月で1200%利用が増加するなど、ようやく普及の兆しを見せています。



ある意味あたり前ですが、現在のソーシャルweb全盛の状況を反映し、オフラインの場からオンラインへとユーザーを導くツールとして非常に注目を浴びています。
以下、そんなQRコードの利用事例の中からクリエイティブ、あるいはソーシャルとの連動がある事例を3つほど。

1. バーチャル・スーパーマーケット

韓国において、TESCOが展開したかなりインパクトのある事例。駅内に取り付けられたスーパーマーケット型のディスプレイのQRコードからショッピングができるというもの。(当然ながら、購入したものは直接家に届けてくれます。)

結果も非常に素晴らしく、2010年11月から2011年1月までの間の3ヶ月でのオンライン売上は130%増加し、サービスへの登録者も76%増加したのだとか。

こういうの日本にも欲しい!




2. QRコード付きPV

LAベースの韓国人歌手、Shin-bが投稿しているPVはQRコード付き。
QRコードからTwitterのプロフィールなどへ遷移します。




3. QRコードとFacebookとの連携

DIESELが行ったFacebookとの連携事例。QRコードをスキャンすることでFacebook上で「いいね!」できるというもの。
NFCの今後がかなり注目されるところですが、こういった既存技術の見直しなども可能性十分かもですね。
あとはいかにそれをしたいと思ってもらえるような設計をするか。




こういった事例はいつみても楽しいですねー。また何か見つけたらご紹介したいと思います:)

【参考】
Shop at a virtual supermarket and more with QR Codes - Social Media



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29 June, 2011

Gilt Groupe CEOが考えるこれからの小売に影響を与える3つのトレンド





『big think』にGilt GroupeのCEO、Susan Lyneがリテール(小売)がこれからどうなっていくと考えているのかについてのインタビュー動画があったのでご紹介。

内容に入る前に『Gilt Groupe』について少し。Guilt Groupeは、2007年にNew Yorkで立ち上がった、「招待制高級ファミリーセールSNS」です。
メンバーだけの特別価格でクオリティの高い買い物(ディスカウント付きで高級ブランドの商品やサービスを購入可能)がオンラインでできるため、非常に人気を集めています。(会員数は世界で350万人、日本では60万人だとか。)
つい先日もソフトバンクが出資を決めた、というニュースがありました。(→『ソフトバンクがギルト・グループに出資 50億円超 』)

インタビューの中でLyne氏は次の3つの点を鍵となるトレンドとして挙げています。

1. キュレーション

現代の顧客は過剰すぎる選択肢の前で麻痺してしまっており、Guilt Groupeのようにそれをフィルターし、選択肢を絞って提供することは今後より重要になる。

2. 文脈と購買の収束

Lyne氏は、「広告は確かに購買行動の起点となる存在であったが、それが行動の最終決定(=購買)まで影響することはほとんどなかった。」と述べています。それからは購買の最終判断のプロセス全体にしっかりと働きかける文脈やコンテンツを提供することが重要になる。

3. ゲーム・ダイナミクス

購買というゲームがもし顧客をあるレベルから次のレベルへと持っていくようなものであれば、そこでの購買は非常に楽しいものになる。
そのように、ポイントAからポイントBへ、さらにポイントCへと顧客を先導するような仕組みがよいゲーム性というものだ。

どれも非常に興味深い論点。さすが、ハイ・クラスの方々を取り込み、「今や高島屋NYの売り上げの5倍にも達する」とも言われる急成長サービスのCEOですね。

インターネットというのは購買のファネル全体にリーチすることができるわけで、かつその可能性はスマートフォンの浸透でさらに拡大していくことは間違いありません。
ユーザーの動向に敏感な業界だけにまた新たな動きもここから出てくるかも。
今後とも要チェックです。

インタビュー動画は以下。



【参考】
Where is the Retail Revolution Heading Next? | Think Tank | Big Think



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28 June, 2011

Googleを活用し、6ドルで広告代理店に入社したある男のアイデアがすごい件





偶然見つけたMashable!の1年前の記事の内容がやばかったにも関わらず日本語化されていないようだったのでご紹介。
最近話題のソーシャルリクルーティングの範疇には入らなさそうですが、webを使った非常にクリエイティブなアイデアです。

コピーライターのAlec Brownstein氏(下)は、よりクリエイティブな職場で尊敬できるクリエイティブ・ディレクターと働くことを目指し、ある方法でNYの広告代理店ヤング&ルビカムに仕事を得ました。



その方法は、彼が尊敬するクリエイティブ・ディレクターの名前でGoogle検索した際に表示されるGoogle広告を出稿し、そこで直接一緒に働きたいというメッセージを伝えること。
ちなみに、その広告のメッセージは”Hey, [creative director's name]: Goooogling [sic] yourself is a lot of fun. Hiring me is fun, too”というものでした。

彼は5人のクリエイティブ・ディレクターについてこの広告を出稿し、そのうちの4人と実際に面接をし、2つのオファーを得ただけでなく、2つの広告賞も獲得しました。



ちなみに、『How to get your dream job with $6 and Google - The Globe and Mail』にあるBrownstein氏と広告出稿され、実際にオファーを出したディレクターに対するインタビューにおいて、彼は『このような顧客と関係を作ろうとする取り組みはまさに私たちがクライアントに対して行っていることである、このようなアイデアこそがまさにうちの会社にいる人々に求めるような行動だ』と非常に賞賛されています。

もちろん、きちんとした能力を持っていたからこそこのような結果に繋がったのですが、Googleがインフラとなり『自分SEO』のような言葉が有名になる状態をうまく捉えた非常にクリエイティブなアイデア。

既存の枠に捕らわれることなく、柔軟なアタマをもっていたいものです。




【参考】
HOW TO: Land Your Dream Job Using Google AdWords



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ソーシャルパトロンサービス『Grow!』に期待したい3つのこと!





本日朝7時から『スタートアップモーニング』を開催しました!
(とか言いつつ、遅刻してしまったのですが。。。梅木さん、みなさんすいませんでした><)

朝7時からだと2時間話してもまだ9時となんとも素晴らしい!というのはさておき、非常に中身の濃い2時間でした。

本日、お話いただいたGrow!CEOの@hitotsugiさんには以前からこのBlogでお世話になっており、個人的にも是非お会いしてみたい方でした。

@hitotsugiさんが今取り組まれているサービス、Grow!について知らないという方はもしかするとこのブログ読者にはあまりいないかもなのですが、モデルは以下のようにクリエイターとそれを支援したいというパトロンを繋ぐというもの。ちなみにここでいうパトロンというのは大金を無償で提供する人のことではなく、ちょっとした気持ちを伝えたかったり、ちょっと応援したいと思っているような人たちのこと。そんなパトロンとクリエイターの方々との『イイ』関係を作るサービスが『Grow!』だと理解しています。



今回はそんなGrow!について『スタートアップモーニング』内のディスカッションで話したことをベースに僕が勝手に期待していることをいくつか書いてみたいと思います。


1. 社会全体への浸透

最近のスタートアップのモデルというのは情報露出に抵抗が少ないイノベーター層ばかり狙いすぎていて、そこからどうやってその上に拡大するんだろう、みたいなことを(個人的には)感じることが多いのですが、Grow!のモデルはそういったキャズム的概念を超えて広く社会に受け入れられるモデルなのではないかと思っています。


実際、カルチャー紙などでも取り上げられたりしているとのことなので今後とも一般に普及させていくような展開を見せてもらいたいところ。


2. 海外進出

ターゲットの話が続くのですが、Grow!のモデルは日本より海外で受け入れられる可能性が高いのではないかと思っています。(この点は@hitotsugiさんもおっしゃっていたいましたが。)アメリカでは赤十字がその使途が不透明であるが故、不人気らしいのですが、そのような間で繋ぐプレーヤーを飛び越えるインターネットの特性を生かしたサービスはその点が不透明になりようがないですし、ニーズは非常に大きいのではないかと思っています。もちろん、日本に寄付文化を根付かせるといったことも非常に意義のあることではあるのですが、世界に是非早く出ていってもらいたいなぁと思います。

世界にもまだないサービスだからこそ、スタンダードを作る大きなチャンスがあるわけですし。


3. オーガニックにコミュニティが作られる仕組みづくり

機能面で期待しているのが、こちら。
コミュニティ作りというのは非常に難しい点で僕も今、Facebookページを持っているにも関わらず、完全放置状態。。。クリエイターとそれを応援したい人たちを繋げるという素敵なサービスだからこそ、是非彼らが繋がるコミュニティが自然とできていくような仕組みを作ってもらえないかと思っています。(ブログ記事をTwitterやFacebookで共有してくれている人をリスト化したりしてもらえるだけでも個人的には相当に助かる。)



以上、一方的に意見をつらつら書きましたが、@hitotsugiさんの男気溢れる言動に魅せられた次第。
これからも勝手に応援していきたいと思います!

また、スタートアップモーニングはこれからも毎週続けていきますのでご興味ある方は是非チェックいただければ。来週はRettyの@さんにお話いただきます。→『7/4 SUM vol.2Rettyに見るテイストグラフ・プラットフォームの行方

ちなみに、第三回でお話いただける方も募集しておりますので、是非気軽にTwitter(@nike1125)まで話しかけていただければ。

webやマーケ界隈のInfluentialな方が多く集まっておられますので、PRなどに是非ー:)

27 June, 2011

音楽検索アプリ『Shazam』が示唆するTVCMの可能性





音楽検索サプリ『Shazam』が先日、3200万ドルの資金調達をしたというニュース(『Shazam taps $32m VC fund to make move into TV | News | Rapid TV News』)を見て、思い出したことを掃き出し。

Shazamは簡単には流れている楽曲がわからないときに起動すると、その楽曲の名称を教えてくれる素晴らしいアプリなのですが、半年ほど前からアメリカのアパレルブランド『Old Navy』と組んで、非常に示唆的なキャンペーンを実施していました。(現在は既に終了した模様。。)

キャンペーンの概要としては、TVCM中にそのCM中に音楽をShazamを起動し、特定(Tag)すると特設サイトへと遷移し、その組み合わせの服を見ることができるだけでなく、直接購入ができる、というもの。
以下のCM動画を直接観てもらうとわかりやすいかと。







Shazamを使って何かをするという体験自体がとても新しい概念ですが、TVCMの新たな可能性を見出す好例。
アーティストなどはもちろん、適応できるケースはかなりありそう。

なんといってもShazamがiPhone, Androiod, Blackberry, iPadとマルチプラットフォームに展開していたからこそできることでもあります。

TVCMのような既存の媒体の可能性を新たなテクノロジーがどのように引き出していくのか今後も楽しみなところ。

ちなみに、『Venture Now』にさらに詳細な解説がなされているのでそちらも是非参照ください。(もっとバズってよいはず。)
スマホアプリのメディア化。ShazamとOld Navyの秀逸コラボキャンペーン :コラム:世界のモバイル広告:VentureNow(ベンチャーナウ)

【参考】
Shazam is the Future of TV Advertising



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22 June, 2011

アメリカのスタートアップバブルの実情





来週から毎週月曜朝7時よりいつも仲良くさせていただいている『The Startup ›』の@umekidayoさんと『スタートアップモーニング』という会を行うことになりました。

Grow!の@hitotsugiさんをお招きする第1回の申し込みは残念ながら終わってしまったのですが、来週以降も続けていきたいと思いますのでご興味あれば、是非僕のTwitterの方などチェックいただければ!

さて、そんなスタートアップ関連の話でよく言われているのが、バブってるよね、という話。確かにLinkedInの株価はかなり失速しましたし、中国のSNSm『Renren』も同様です。僕も過去に、Economistのテックバブルに関する記事を紹介したりしました。(→『現在のITにおけるBubblyな状況に対するメディアの知見 - The Economistより』)

そんなバブル状態にあると言われているアメリカのスタートアップ界隈が実際にどんな状態にあるのかを示したインフォグラフィックを拾ったのでそれを今回はご紹介。

実はまだそんなにバブってないんじゃないかという他にも結構面白い情報がいっぱいでした。

まずは、投資案件数の話。
最近かなり上がっているのは確かなのですが、推移でみるとリーマン・ショック以前の方がまだまだ高かったのは非常に興味深い点。LinkedInやPandoraなどがIPOした2011年Q2のデータがどのようなものになるのか楽しみですね。



資金調達額の推移も上と同じような形をたどっていますが、金額面では既にリーマン・ショック以前の水準にまで回復した模様。



評価額と利益の現状を示したのが以下の図。最近IPOやその動きなどが行ったFacebook, Groupon, Skype, Pandoraのそれぞれについて、かなり大きく評価がなされているのがわかります。どれも地球と月の関係のよう。



資金調達をした額を地域別にプロットすると、カリフォルニアが52%と圧倒的。最近、New YorkのSilicon Alleyの話題が活発ですがまだ実績面ではBostonの次という立ち位置。その他が24%も占めているのはシカゴに本拠を置くGrouponの影響が強いはず。(シカゴのスタートアップってGroupon以外にあまり聞きません。3月にVCの話を聞いた際にも。”Poor Poor Chicago”なんて言ってましたし。)



前年同月との比較では案件数では60程度の増加ですが、金額では2倍まで成長しています。



分野別にみると、ソーシャルコマースがGrouponの影響で24%と高く、その下には広告・マーケティング系、ソーシャルメディアサービス、データストレージと続いています。



地域別に前年度同月と比較してみると、Silicon Balleyのパワーが少し下がっていることがわかります。



ディール別に見ると、Grouponの調達額が飛び抜けて大きく、その後、レビューサイトAngies list、クラウドコラボレーションサービス、baxと続いています。バブルの代名詞といった感のあるColorのディールは5位にランクイン。



その他、起業に関してのTipsは以下。
"If you don"t have a passion for your customers... you won"t create a company - you'll create a job"とは深い言葉。





一枚図は以下に。(インフォグラフィックを綺麗に貼る方法をご存知の方いらっしゃいましたら誰かご教授ください><)



今後の展開に注目していきたいところ。また、『スタートアップモーニング』にも是非ご注目ください^^

【参考】
Infographic: the new startup ecosystem — Tech News and Analysis

組織と個人の関係性はこれから大きく変わらざるを得ないという話





guardian』に上がってた記事が面白かったのでそこから感じたことなど。

その記事は(こちら)はざっくり要約すると、大学の全体としてのブランド管理やマーケティングがトップダウンで管理できるものでなくなっており(受験生でも学生の様子などをソーシャルメディア上で見ることができるため)、また学生の管理(ネガティブな情報発信)などをすることは到底できないため、大学間の競争が激化しているにも関わらず、大学のブランディングは難しい環境下におかれているといった話だったのでした。(詳細は是非直接読んでいただければ。)

読んでみてソーシャルメディアがもたらすこれからの社会について以下の2つのことを感じました。
(今更感ありありですが。)

1. 一部から全体への機能移動

これまで組織の管理はそれぞれの役割を担っている人々に分担され、機能していました。しかし、ソーシャルメディアの隆盛によって広報やマーケティング、ブランディングはもはや中央集権に特定の人たちによって行われるものではなくならざるを得なくなりました。それにかわって、組織に属する個人全員がそれらに関わることになり、いつ何時でも誰しもが所属する組織全体の代表となりかねない状態へとなってきています。この点を組織に属する個々人にしっかりと理解してもらわなければ組織としての観点からみると迂闊としか考えられない発言を個人がしてしまうという現状はいつまでもかわりません。

2. 上から下へのパワー移動

役割の一部を剥ぎ取られた組織の観点からみて、個々人を少しでも管理していく方法は2つ。ひとつは(ガイドラインなどによる)基礎的なリテラシー研修・教育であり、もうひとつはそもそもそのような迂闊な発言・考えの種をまかないこと。すなわち、基礎的なリテラシーをもった個人がもつ不満を内部で解消すること、予防することです。

Zapposのように従業員の満足高く働いている組織は外部にポジティブな情報を発信することになり、それがよい循環をもたらすことになります。対照的に、組織がもし彼らの満足度をおざなりにするようなことがあればそれは組織内にいつ爆発するかわからない爆弾を抱えることになります。

そのようなことを組織全体が意識することによって、個人・組織が互いにより気持ちの良い新たなWin-Winの関係を結ぶポテンシャルがソーシャルメディアというツールにはあるのではないかと思いますし、そのような社会の実現に向けてクライアントさんのお手伝いができればと思っています。

個人的にはソーシャルメディアによってZapposのような従業員、顧客の両方から愛される企業(かつ従業員全員がソーシャルメディアを責任もって活発に活用する企業)がどんどんと出てくるのではないかと期待していたり。
(Zapposについては以下の『Best Job Ever』などでも紹介されています:D)



【参考】
Social media presents challenge to universities | Education | The Guardian



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21 June, 2011

ソーシャルメディアのブランド認知や購買判断に対する影響力





マーケティングの観点からみて、実施する施策がどのような効果をどの程度もたらすのか、というのは非常にクリティカルな問題だということを仕事をしながらいつも感じます。
しかし、ソーシャルメディアがどのような影響をもたらし、またどのような効果があるのかはいまだ不明瞭な点が多くあります。(とはいえ、多くの消費者がそこにいるため、企業や組織がその場に入っていくことは非常に重要なのですが。)

そんな中、リサーチ会社、Knowledge Dataが興味深いリサーチ結果を公表していたのでご紹介。

そのリサーチ(概略はこちら→『Social Media Now Influences Brand Perceptions, Purchase Decisions of 38 Million in U.S. | Business Wire』)によると、

▼ソーシャルメディアはそのユーザーであるアメリカの18歳から80歳までの消費者、3800万人の購買判断に影響している。(6ヶ月で14%上昇)
▼ユーザーのうち、2300万人は新たなブランドをソーシャルメディア上で発見している。(2010年のデータから22%上昇)
▼2250万人はソーシャルメディアをよく知らないブランドや商品について知るために利用している。(2010年データから9%上昇)
▼1780万人は購買判断において、ソーシャルメディアによる意見に強い影響を受けている。(2010年データから19%の上昇)
▼1510万人は購買判断の前にソーシャルメディアを参照する。(2010年から29%上昇)
▼2010年1月時点で、40%のソーシャルメディアユーザーの10代と成人は携帯デバイスを通じてそれらを使っており(6ヶ月で28%上昇)、これは8000万人が携帯デバイスでソーシャルメディアを利用していることになる。

のだとか。

調査設計やソーシャルメディアの定義などがよくわからなかったのですが、アメリカの人口が3億人とすると、3800万人は約10%に影響することになります。また、軒並み上昇していたのもすごい。

昨日、『「民放テレビ全局の19時台の視聴率、ついに1ケタになった…」』という話がありましたが、日本のソーシャルメディアの影響力のデータも最新のものがほしいところ。(アメリカはFacebookが浸透しているからこそ高く出ているはずなので。)
ソーシャルメディアが人口の10%以上の購買の判断に影響するとなれば、当然その潜在視聴率(もちろん合計値ですが)はそれより高いはずで、それは一般的なアメリカのマスメディアの数値も超えていることが想定されます。(アメリカは日本よりかなり多チャンネルで細分化が進んでいるため。)
そのような状態がアメリカでできたとなれば日本でもデジタルメディアがマスメディアを超える日がリアルに見えてきたかもしれませんね。


【参考】
Social Media Now Influences Brand Perceptions, Purchase Decisions of 38 Million in U.S. | Business Wire



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20 June, 2011

中国にみるソーシャルリクルーティングの未来





最近、ソーシャルリクルーティング(ソーシャルメディアを利用した就職・採用活動)の話題が盛んですが、『The Next Web』に中国版Twitter、『Sina Weibo』を活用したソーシャルリクルーティングの話題が掲載されていたのでご紹介。

Sina Weiboについては過去にもこのブログで取り上げたのですが(→『中国版Twitter『Sina Weibo』が『Twitter』を超える日』)、既にユーザー数は1億4,000万人を超えており(Twitterは約2億人)、中国国内ではかなり活発に利用されているサービスの1つ。

そんなSina Weiboは最近、ジョブ・マーケットにフォーカスを当てたサービスを開始したのだとか。そしてその結果、サービス開始から3ヶ月で17,000もの140字以内で書かれた『マイクロ履歴書』が集まっているとのこと。



日本のTwitterでもかなりプロフィール欄に気をつかっているユーザーは多いですし、リンクに『about.me』や『Flavors.me』などを入れている学生は徐々に増えてきていますが、これから自分の履歴書をつぶやくような学生も出てくるかもしれませんね。

Mashable!などにもソーシャルメディアを使った履歴書などに関する話題がちょくちょくあるのですが(例:『10 Creative Social Media Resumes To Learn From』)、できることの幅はどんどん広がっていっているので、次のクリエイティブなアイデアに期待。


【参考】
140-character micro-resumes change job applications in China - TNW Asia

18 June, 2011

Appleの歴史を広告とともに眺めてみる





Web Design Blog - Webdesigner Depot』にAppleの初期から現在までの広告が載っており、非常に興味深かったので、ご紹介。クリエイティブは見ていて楽しいですなぁ。

変化していっていると感じたのは以下の3つ。

1. ヴィンテージ調から白色へ
初期の頃は、以下のようなヴィンテージバックなものばかりですが、徐々に白バックなものになっていきます。これは時代性の移り変わりですかねー。





2. 文字によるコミュニケーションからヴィジュアルによるコミュニケーションへ
初期の頃は、以下のように広告における文字が非常に多いのですが、徐々にヴィジュアルが全面に出るようになってきています。Appleというブランドや商品について文字で説明する必要がなくなったという点が大きいのでしょうね。





3. 世界観でのコミュニケーションから商品でのコミュニケーションへ
初期の頃には衝撃的だったコンピューターが社会に浸透し、それによって実現する世界観を訴えかけるよりも、商品を伝えるようなコミュニケーションに変化していっています。上の変化と対照的なのが面白いところ。





以下、時系列順にいいな、と思ったものを。

























テレビ広告もいくつか。

APPLE MACINTOSH 1984 SPOT from diego lopez on Vimeo.



こちら結果的に大失敗に終わったPDA、NewtonのCM。iPadのビジョンを20年前から見ていたApple。

Newton_Who_is_Newton from yuanxi.tw on Vimeo.



最後に一番のお気に入り。"Think Different"のCMは以下。

Apple - "Crazies" from Acme Fish on Vimeo.



Here's to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. (クレイジーな人たちがいる。 反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。)
The round pegs in the square holes. The ones who see things differently. (四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。)
They're not fond of rules, and they have no respect for the status quo. (彼らは規則を嫌う。 彼らは現状を肯定しない。)
You can quote them, disagree with them, glorify and vilify them.  (彼らに心を打たれたり、反対したり、賞賛したり、けなしたりすることはできる。)
About the only thing you can't do is ignore them because they change things. They push the human race forward. (しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。 なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。彼らは人間を前進させた。 )
And while some may see them as crazy, we see genius. Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.(彼らはクレージーと言われるが私たちは彼らを天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから・・・・ )

ちなみに、2002年ごろまでの広告は『The Mothership Apple Advertising and Brochure Gallery Index』でみられます。

【参考】
The Evolution of Apple Ads | Webdesigner Depot