27 March, 2010

3年3割は問題なのか。

「最近の若者は~」という風に言われる問題の一つに、数年前から3年以内に3割の新入社員がやめるという「3年3割」問題とのがあります。

若者の忍耐力のなさなどが問題視され、城繁幸さんの書かれた「なぜ若者は3年でやめるのか」という新書はベスト・セラーになりました。

読んだのが少し前なので、うろ覚えなのですが、城さんは若者が悪いのではなく、日本の企業システム側・日本社会の雰囲気が生み出している問題だという風な論調であったと記憶しています。

僕も読んだ時はなるほどなー、と思っていたのですが、今日、シンガポールで既に働いている友人の話を聞いて、それが(労働者・雇用者・社会等の)問題とされること自体がおかしいのかも、と思いました。

その友人曰く、シンガポールは解雇規制が日本ほど厳しくはなく、また転職市場もそれなりに大きいので、新入社員のほとんど(8割ぐらいって言ってたが、、)は2、3年程度で仕事を変えるそうです。

そもそも、働いたことがないんだから、ミス・マッチがあって当たり前。やりたいことなんてそんなすぐにわかるもんじゃないし、経験が問われないうちは学歴を活かして、いろいろ試すのが普通だと。

なんだか日本特有の就職活動がますますばからしくなった次第でした。

労働の流動化が叫ばれている昨今ですし、「3年3割」と問題視していかに減らすかよりも、3年5、6割ぐらいまでどうやって増やすか、ジョブ・ホッパーにならない転職をいかに増やすかを考えるべきなのかもしれないですね。

まさに"Don't be trapped by dogma(定説にとらわれるな)"なアハ体験だったのでした。

26 March, 2010

学び合う。

昨日、mixi経由で見つけたニュース、「日本政府が韓国に学ぶ「韓国室」を設置、韓国は「警戒怠らない」」。

mixiの「このニュースに関する日記」を覗いてみたところ、(案の定)あまりに嫌韓的な文章ばかりでうんざりだったのですが、日本は「まねび」は得意な国なので、ベンチマークできる国が見つかったのはラッキーなことなんじゃないかと思います。

「脱亜入欧」的な価値観をいつまでも引きずるのではなく、「学べるところは貪欲に学ぶ」のがいいんではないでしょうか。

「韓国から学ぶことなどない。」という意見がかなりあったので、前にも書いたことあるのですが、最近また発見した韓国の例から学べることを2つほど挙げてみたいと思います。

1.文化輸出の方法

韓流ブームが日本に来てから、はや数年経っていますが、東南アジアでもかなりの影響力を発揮しています。

何度か書いている通り、僕は今学期、「日韓政治比較」の授業を取っているのですが、最初の自己紹介で感じたのは韓国について興味を持ったのは、ドラマや音楽から。という自己紹介が多かったことでした。(そして、残念だったのは日本よりも韓国に興味がある学生の方が多かったこと。)

コンテンツ産業の不振が最近よく書かれていますが、国内がだめなら国外にも目を向けてもらいたいところ。「韓流」にあるような著作権や語学の問題など、見習うところは見習って是非、改善していってほしいですね。

「モーニング娘。」とか日本でOGと共演するんではなく、折角中国人のメンバーが入ったのだから、センターに持ってきてもっと、中華圏へ出ればいいのにと思ったり。

J-POPや日本のドラマも「クールジャパン」を引っ張る重要なコンテンツの一つなので是非、頑張っていただきたいところ。

2.政府を信用しない自立した態度

前にコチラで書いた通り、韓国の市民は歴史的経緯からかなりconfrontational(対立を辞さない)姿勢があるそう。

変化が激しい時代になるからこそ、日本も何時までもお上任せのトップダウン式ではなく、市民からの発信で柔軟に対応していくボトムアップ式にしていかなければいけないと思います。

そのためには、稚拙な意見だろうが、どんどん発言するのが重要なんだと思います。(ネットというのは、時間・距離の制約なくインタラクティブに議論ができるので、きちんと使えばいずれその方向に動いていくと思いますが。)

何にせよ、どんな国でも学べるところはあるので、謙虚な態度で学習していきたいところ。

【関連】

韓国から僕らが見習うべき3つのこと

24 March, 2010

アメリカの教育の現状

Trinity@NYCさんがアメリカの教育の現状について、興味深い記事を書いていらっしゃいました。→「子供の教育はPRICELESS

僕は、高校1年の春休みにアメリカにあった姉妹校で、1ヶ月間ホームステイをしたんですが、その時に通った姉妹校(公立)のレベルのあまりの低さに驚いたことを覚えています。

特に数学の授業で、三平方の定理の証明を折り紙を使ってやったときには苦笑い。(高校1年生のホームステイ先の子にくっついて、授業を一緒に受けていた。)

ただ、ここまでヤバいとは思っていませんでした。

"この国の教育システムの問題は、ハイスクールまでの段階に集中しているかのようである16歳から24歳までの若者のうち、高校を卒業しなかった、あるいはできなかった生徒の数がアメリカには620万人もおり、これは同年齢層の男子の5人に一人、だというのである。全人口対比の16%が高校をドロップアウト。まさにドロップアウト・クライシスである"

これと比較すると、日本の高校までの教育システムってだいぶマシだと思うんですが、大学に入るとTrinity@NYCさんの仰る通りいささか様子が違うように思います。

授業に出ない、寝るといったドロップアウト同然の行為が平然と行われるようになるので。

@kotosakaさんが以前、書かれていたように、

"この入試問題で高得点をとって入学出来る高校生達は、全世界的にも競争力が有ると本当に思うのだが。。。: 毎日-2010年大学入試問題と解答例 http://bit.ly/9A32ST"

日本の高校生の平均レベルってアメリカのそれと比べるとかなり高いように思いますし、上のレベルでも高い競争力があると思うのですが、大学のシステムがダメにしがち。(燃え尽き症候群や反知性主義など。)

個人的には、日本も就職活動をGPA主義にしちゃえばいいんじゃないかなー、と思うんですが。。

帰ったら、学業最優先に生活して日本の大学の問題がなんなのか考えてみたいと思います。

22 March, 2010

ジャパニーズ・フード!

学校以外によく自習する場所の一つに住んでいるところの近くにあるモス・バーガーがあります。

残念ながらモスらしくなく、ポテトはオーダーする前からスタンバイしていますが(笑)、それでもマックより数段美味しいのが素晴らしいところ。

実は、シンガポールは日本食ブームらしく、サイゼもあるし、偽二郎もあるし、大抵のものは食べられたりします。しかも今、さらなる出店ラッシュなんだそう。

シンガポールはどうも不景気からはすでに脱却したらしく、新しいショッピングモールやら、カジノやら、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールやらが続々とオープンし、景気のいい限りなのですが、去年できたショッピング・モール、ION ORCHARD(参考:ION Orchard アイオン・オーチャード)を例にすると、中に和民やラーメン青葉、とんかつ屋さんなど日本料理がズラッと並んでいて週末はものすごい込み具合になります。

それを見込んでかタリーズの松田公太さんが日本の次にタリーズを持ち込んだのは、シンガポールだったり。案の定、ビジネス街に出来ていた一号店は特に平日はビジネスマンでごった返しています。(ちなみに、シンガポールのタリーズ限定の商品として、シェイクがあるのですが、とてもお薦め!)

残念ながらシンガポールの日本食は全般に、日本の水準で見るとバカらしいほど高いので一介の学生はなかなか利用できないのですが(300円で食べられる中華ばかり食べる日々)、かなりの人気っぷりなので、是非もっといろんな日本食に進出してもらって頑張ってもらいたいなー、と思います。

もっとおいしく食べられる日本に興味を持ってもらえるステップとなるといいのですが、、

頑張れ、ジャパニーズ・フード!

サイゼリア@シンガポール

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20 March, 2010

日本はまだまだ危機感が足りないんだと思う。

id:elm200さんが「日本に「シンガポール」を作ろう」でシンガポールをネタにされていたので、すかさずエントリーw

最近、とみにシンガポールや香港をモデルに日本を変えて行こう、という趣旨のものを(僕が人一倍、シンガポールというキーワードにアンテナを張っているからだとも思われますが)よく見かけます。(例:「シンガポールの成長戦略について書いてみる」で取り上げた夏野さんの記事。)

しかし、僕は日本がシンガポール・香港をモデルに国づくりをし直すというのは当面、ありえないだろうなー、と思っています。

理由は、「危機感が一部でしか共有されていないから。国を動かすには足りないから。」

以前、コチラの記事で引用したmojixさんのエントリー「アメリカ人は「希望駆動型」、日本人は「危機感駆動型」」では、日米間のインセンティブを比較されていましたが、シンガポールもかなり危機駆動型な国です。(建国の父、リー・クアンユーのwikipediaに詳しいですが。)

主な危機要因は「水」と「国防」の2つ。

まず、「水」。

熱帯に位置する国なので、雨はよく降るのですが、高低差が少ない国であるため、日本のように、ダムを引いて~のようなことができず、水源が自国だけではまかなえません。そのため、隣国マレーシアのジョホール・バルからパイプを引き、水資源を購入することでしのいでいます。マレーシアとの関係はかならずしも良好(外交的に)とはいえないため、交渉力を失わないためにも国家の経済成長は欠かせませんでした。

次に、「国防」。

以前、コチラで書いたように、現在では、韓国のような(戦争が起こりうる)敵国がいるわけではありませんが、シンガポールの男性は2年間の軍で訓練を受けなければなりません。

何も知らなかったころ、「仮想敵国は誰なんだ?」、とシンガポール人の友人に聞いたことがあったのですが、以前は、8月9日のシンガポール独立記念日にマレーシア軍がジョホール・バルの国境に押し寄せる、といったこともあったそう。

こういった危機感に煽られる中、リー・クアンユーが行った政策が実を結び、日本を超える1人当りGDPを実現することとなったわけです。

一方の日本はこういう国がなくなるといった強烈な危機感はないので(参考:「日本以外みな軍拡」)、当面は悪くなる一方だと思っています。

ちなみに、僕がいつになったら危機感が国全体で共有されたかを測る指標となるんじゃないかな、と思っているのが教育政策。

僕自身、いわゆる「ゆとり世代」ですがゆとり教育なんて言っていたつい最近までは、危機感もへったくれもないなかったように思います。ただ、教育というのは、長期的な変化の起点となるので、そこに変化が現れれば、いよいよ国全体が変わっていくのではないか、と。(5年先か、10年先かはわかりませんが。)

もっと具体的に言うと、「東大の授業が全て英語でなされるようになる」と一気に変わるんではないか、と思っています。

元々、明治時代の東大は海外の最新の知識を得ることで、欧米列強に対応すべく、欧米語で授業を行っていました。(「東京大学 (1877-1886)」)

現在、授業は日本語ですが、大学院では英語だけで卒業できるコースもあるとか。(卒業されたベトナム人の方に聞いた話。)

日本にも、APU(立命館アジア太平洋大学)や国際大学など、国際化に対応した大学もかなりありますが、ヒエラルキーのトップが国としての危機を察知すれば、本格的な変化が起こるのではないかと思います。

もしくは、この資料(http://www.rche-kanazawa-u.jp/news/pdf/centernewsNo299.pdf)にあるように、海外トップ校の誘致に力を入れるでもいいかと思うのですが。

この事例として、la dolce vitaさんが以前、「INSEAD誘致失敗で失ったもの」を書かれていましたが、やはり現時点での政府の先見性・危機感のなさを感じずにはいられません。(かたや国連大学は必死に招致したらしい。苦笑→「「国連大学」ってどんな大学?」)

日本国が本気を見せるまで、当面かかりそうなので、国に頼らなくてもいいよう、個人としての生き残りを考えていかねば。

国際競争の厳しさ

数日前に、見かけたtweetsより思ったこと。

まず、@kotosakaさんのこのtweetと

"海外でも活躍出来る若手日本人の育成が重要と言う議論があるが、企業の側から見れば、理想なのは出来れば少しでも日本語話せて、あと高度な英語と現地母国語と現地知識を持つ外国人を雇うべきな気がする。日本市場の知識も高度な日本語も海外市場ではいらないでしょ?日本人である理由はないはず。"

そして、@kazuya_iさんの、以下のようなtweet。

"2年前、就活中の友達が大手メーカー社員から聞いた「5年以内に日本の学生は日本以外のアジア出身の優秀な学生たちとのイス取りゲームになる」って言葉をふと思い出した"

個人的に、これからの時代の厳しさを改めて実感したtweetsでした。(企業がさらなる成長を求めていくのであれば当然なのですが。。)

若年貧困層が戦うべき相手は誰なのか?」でid:Chikirinさんが書かれている以下の図を援用すると、

f:id:nike1125:20100319171955j:image

Chikirinさんは縦軸の稀少価値を、安価な労働力に代替されない、と風に定義されていますが、これから企業が国外のマーケットを成長性の観点から志向していくのであれば、国際的なマーケットの中での真の稀少性が求められることになるので、左上の青いゾーンに入るのは、国際競争を勝ち抜いたほんの少数。。

成長マーケットで、競争相手となるインドや中国、東南アジアの学生はシンガポールのうちの大学にも多くいますが、彼らはそれぞれの母国語、英語(東南アジアの中華系の学生だと+中国語ができる人も多数。)を使いこなし、長期休暇には学校の斡旋で国外でのインターンを経験するなど@kotosakaさんの指摘されている現地母国語、現地知識は余裕でクリア。

さらに、うちの大学で開講している語学クラスの中で最も人気なクラスは、より有用そうなスペイン語を差し置いて、日本語という事実(受講することすら、かなり難しいほど。)を見ると、日本に対する理解のある人材、理解したいという潜在的な人材も多くいるかと。

現状では、日本人にしか許容されないような労働環境の元、守られていますが、遅かれ早かれグローバル化していくのは必至なので、そうなると、いよいよ厳しい。

そこで、具体的に代替されないにどうすればいいか、を考えるときに参考になりそうなのが、「子供の教育を考える~長男の中学受験に思う」の中で、グロービス代表の堀さんが挙げられていた、「世界で活躍できる人材。且つ日本や世界社会に貢献できる人」になるために必要な資質。具体的には、次の5つ。

(a)生命力、逞しさ、闘う姿勢などの人間としての強さ・バイタリティ

(b)人間的魅力、リーダーシップ能力、やさしさなどの良き人格

(c) 考える力、洞察力、集中力などの、思考力

(d)日本語、英語でのコミュニケーション能力

(e)日本人としてのアイデンティティをしっかり持った人

現状、全く足りていません。。(泣)

頑張っていかなければ><

15 March, 2010

日本人は自分にもっと自信をもっていいんじゃないか。

ぐっちさんの「労働のイノベーション」を読んでのエントリー。

ぐっちさんはドラッガーの「明日を支配するもの」から少子化という問題の深刻さを述べていらっしゃいます。僕はドラッガーは「ネクスト・ソサイエティ」しか読めていないのですが、同じように人口減少の重要性を述べられ、日本の未来はあぶないと言っていたものの、日本は何をするかわからないから悲観油断はできないといったことが書いてあった記憶があります。(うろ覚え。。帰国したら確認して、もう一回記事にしようと思います。)

日本は今、少子化という問題の最前線にいるわけですが、僕自身もそんなに悲観的ではなかったりします。

近代に入ってからの日本は明治維新、高度経済成長、失われた10年(20年?)と様々な意味で世界を驚かせ続けてきました。

全世界がいずれは直面する少子化に対する日本の対応でもきっと世界を驚かせるようなことができる、と思っています。

それがポジティブなものになるか、ネガティブなものになるかは、これまでにないような答えを出せるかいなかという日本人のクリエイティビティにかかっているわけですが、シンガポールに来てから、日本人は自分たちのクリエイティビティというものにもっと自信をもっていいのではないかなー、と思うようになりました。

なぜならこちらに来てから、自分が日本人というと、「日本人って、世界一クリエイティブだよねー。」、「親から何か妙なもの、変なものを見つけたら、日本製だと思え。と言われたよ。(笑)」、といった言葉をかけられることが多々あったから。

アニメやマンガだけでなく、20世紀最大の発明と言われたwalkmanやウォシュレット、五本指ソックスなど他の国とは”視点の違う”ものができる環境が日本にはあります。

確かに、id:elm200さんが「日本に「明治維新」は再びやってこない」で仰っているように、現状では誰もが納得できるイデオロギーがあるとは思えません。

でも、きっとそれも近いうちにできるのではないか、と。

mojixさんが「アメリカ人は「希望駆動型」、日本人は「危機感駆動型」」で書かれているように、やばい、という危機感に煽られるとできる子になると信じています、日本人は。

14 March, 2010

「凡人でも、マッチョじゃなくても起業できる国にする」ために必要なこと。



Willyさんの「起業したい若者に対する大人の本音」、Lilacさんの「どんだけマッチョじゃないと起業できないんだ、日本は。」を読んでのエントリー。





簡単にまとめると、willyさんは起業が増えないのは、”起業をする人に対する世間の目が冷たいことも一つの障害”という仮説を検証するべく、発言小町に「大学3年生ですが、就職活動を辞めようと思います。」という投稿をされ、そのコメントからいかに世間が冷たいかを検証されており、他方、Lilacさんはそのコメントに対し、起業はそんなに難しいことではない、と述べていらっしゃいます。





その中でLilacさんのおっしゃる「凡人でも、マッチョじゃなくても起業できる国にする」にするために必要なんじゃないかな、と思うことがあったのでそれについて書いてみたいと思います。





僕が感じたのは、「起業という選択肢を前提としない教育制度をまず、変えるべきなんではないか」ということです。





僕が所属しているのは、起業を志している学生が最も多そうな商学部ですが、残念ながら履修案内に起業というキーワードを含んでいる授業は一つもありません。(商学部外の機関による授業には1つありました。)


【参考URL】:http://www.gakuji.keio.ac.jp/academic/rishu/index.html


一橋大学商学部のシラバスでひっかかったのは「企業家と社会」という【渋沢栄一記念財団寄附講義】のみ、早稲田大学商学部では科目一覧に「起業」というタイトルのある授業はありませんでした。





一方、今僕が留学しているSingapore Management Universityには設立構想初期にシンガポール人起業家が関わっていたということもあり、"Entrepreneurial Management"というクラスがあります。





僕自身はとっていないのですが、とっている友人に聞くと、クラスの全員が数年以内での起業を目指していて、ネットワーキングなども積極的に行っているとか。また、学校自体もネットワーキング的なイベントの告知をよくやっています。





こういった大学教育の違いを表すかのように、日本にいたときに、僕が起業を目指しているような学生に出会うのは、ビジネスコンテストやインターンのような学外の場合がほとんどでした。





日本とアメリカの大学の経営に対する態度、捉え方の違いというのも影響しているのだと思いますが(【参考】cottonさんの「ヨーロッパとアメリカと日本における経営学の特徴、違いに関する考察 - 日本的経営学、MBA的経営学、そして経済学的経営学」)、大学がもっと学生に起業に興味を持たせるような教育制度を整えて行かないと、起業という選択肢に理解のある社会の雰囲気をつくっていくのは難しいのではないかなー、と感じています。





その点、そういうのができている思う一例が慶応のSFC。


SFCの履修案内で「起業」で検索すると、8科目がヒットし(http://vu8.sfc.keio.ac.jp/course2007/summary//class_list.cgi#list_start)、実際にNPOフローレンスの 駒崎さんやマザーハウスの山口さんのような社会起業家と呼ばれる方々やアメリカのiPhoneアプリで1位をとったパンカクの柳澤さんなどを多くの起業家を輩出されています。





結局、古い大学に入るよりも、新しい大学に入った方がその時代にあった勉強ができるのかもしれませんねー。





ちなみに、HBSに留学されているglobetrotterさんの最新エントリー「アントレ修羅場道」で”The Entrepreneurial Manager”という授業について書かれています。


やっぱり、こういうのがあった方が起業っていう選択肢がリアルに感じられるよなー、とさらに思った次第。(商学部に入ったものの起業など考えたこともなかった自分。。)





大学に入る前に知っておきたかった6つのこと。

先日、いつもいい記事を書かれているid:kanedoさんが「これから大学に入学する新入生のために」という記事を書かれていました。

どれも納得できるものばかりなので、まだ読んでいない方には是非、読んでいただきたいと思うのですが、ちょうど友人から同じようなテーマの動画を紹介されたので、今日はそれをご紹介。(こういうのが出回る時期なんでしょうねー。)

スピーカーはオンラインCDショップCD Babyの創業者でミュージシャン兼プログラマのDerek Sivers氏。氏が卒業されたBerklee College of Musicの新入生に宛てたスピーチです。

テーマは"Six things I wish I knew (before first day of school) "【学生生活を始める前に知っておきたかった6つのこと】

D

残念ながら字幕がついてないので、簡単に内容をまとめると、

1. Focus, Disconnect, and do not be distracted. - パソコンから離れ、邪魔されないところで集中しろ。
2. Do not accept their speed limit.< - 自分の限界を受け入れるな。"When you are not practicing, someone else is."

”あなたがやっていない間にも、誰かはやっているんだ。”
3. Nobody will teach you anything. You have to teach yourself. - 誰もあなたに教えてくれはしない。あなた自身が自身を教えなくてはならない。

4. Learn from YOUR heros, not only THEIRS. - 他人にとっての偉人から学ぶのではなく、"あなたにとっての"偉人から学べ。


"Never think their hero is better than yours."”あなたにとっての偉人が他人のそれより劣っているということはない。”


5. Don’t get stuck in the past. - 過去(の産物)にとらわれるな。


"Don't forget… Innovation is needed more than imitation." ”模倣ではなく革新こそが求められている。”


6. When done, be valuable. - 何かを成し遂げたときには、価値のあるものにしよう。


"While you are here, you have no responsibility to improve yourself." ”ここにいる間、何の責任をとることなく、自分を成長させることができる。”

2.3にもありますが、特に日本の大学生活というのは、自律性に大きく左右され、3年、4年と学年が上がると、6ができているか明確な差が現れてきます。

後悔のない、充実した大学生活を送ってくださいねー。

11 March, 2010

大いなる力には大いなる責任が伴なう。

タイトルは映画「スパイダーマン」より。

今年のノーベル平和賞候補に「インターネット」」という記事を読んでのエントリー。

この記事のタイトルを見たとき、いよいよwebというものの力が世界的に顕在化してきたんだなー、と思いました。

今日は冒頭の記事以外にも堀義人さんの「■オピニオン:世論形成の場としてのツイッター・ブログ」やid:iammgさんの「MGの見えない大陸「ウェブ」での奇想発見!大発見!!」などweb(主にtwitter)の意義について書かれている記事をとみに見かけたんですが、一方ではもちろん危険な面もあるので自分への戒めもこめて、気をつけておかなきゃなー、と思うことについてことについて書いてみたいと思います。

ちなみに僕はtwitterやblog,mixiやFacebookを頻繁に(1時間に1回以上)チェックするネットがないと生きていけないジャンキー体質です。(一時期、iPhoneのない生活をしたのですが、あれはやばかったです。)

webでの情報の受信、発信について計3つほど。

1.情報に流されない

webは、今まで、マスメディアや書籍を通しての接触がメインだった憧れの著名人の方々と実際に接点を持つことができます(blogに残したコメントに返信がきたり、twitterのRT、replyなど)が、結果としてそういった方々からより強い影響を受けやすくなっています。

だからこそ、情報に操作されないように、惑わされないようにしっかりとした情報リテラシーを身につける必要があります。

最低限のリテラシーを学ぶ方法として、「なぜ、人が動かされるのか」という人間のメカニズムについての名著、「影響力の武器」が特におすすめです。

また、TEDの以下のspeechにもあるように、

ジョナサン・ジットレイン 「親切に支えられたWeb」

web上では多くの方に親切にしていただく機会がありますが、mojixさんが「地獄への道は善意で敷き詰められている(The road to hell is paved with good intentions)」で書かれているように、

善意を持っている人、「いい人」でも、その考え方が「正しい」とは限らない。むしろ、間違っていることが少なくない

です。ここはしっかりと気にとめておきたいところ。

2.ネット=世の中と勘違いしない

今日、@higeoyajiさんの

『損なう』← これを「そこなう」と読まずに「そんナウ」と読んだ人は少しツイッターから距離を置くべき。

というツイートがRTされてハッとしたんですが、ネットの感覚と一般の感覚はまだまだ大きく違うと戒めておかねばなりません。なんだかtwitterをやっていると何でもできそうな気になることが多々あるんですがtwitter利用者はまだ10%にも満たないんですよね。

【参考資料】

Twitter利用率、実は1割未満——富士通総研調べ


3.個人情報の流出

mixiもTwitterも危険がいっぱい!? ネットの発言で気をつけたいこと」にもありますが、あまりに個人情報を露出することは危険だと思います。

foursquareは僕もアカウントは作ったものの、この観点からまだ使ってない状態。

気を付けるところは気をつけつつ、楽しくonlineの生活を楽しんでいきましょー:)

09 March, 2010

政治家を変えるのは誰か。

鳥山と鳩山の違いについて」というのを今日は発見したので、政治について。

どのレスも秀逸で読んだときはとても面白かったんですが、少し経ってとても悲しくなりました。この人を総理大臣にしたのは僕ら自身なんですよね。

以前、ニコニコ動画で話題になっていた以下のような動画がありました。





結局、以前書いたように(「なぜ若者は政治に興味を持てないのか。」)、日本の政治は誰が現状だれが仕切っても変わらないということでしょう。

この動画にある鳩山首相は、とても意気盛んだった野党時代の鳩山氏と同一人物であるとは思えません。

民主主義は独裁制のデメリットを最大限排除しうる制度ですが、それは世の中の声が多数決という形で反映されると想定されているから。

総理大臣が変わるには、その国の多数派が変わる必要があります。先のエントリーではその点から外国人参政権という多数派を散らしうる方法について書きましたが、僕ら若者の不利益は僕らが声を上げない限り、変わらないんですよね。

cottonさんの「若年層は衆議院選挙にいこう:世代別投票率及び人口の比較とその有効投票数へのインパクトの試算」にもある通り、僕らが変わればまだ遅くない。

中学生でも知っていることだと思いますが、政治家を変えるのは有権者であり、政治を変えるのも有権者。

先の衆院選やこれまでは、意思表示してこなかった僕ですが、これからの選挙には必ずいきたいと思います。

08 March, 2010

若者はいつ立ち上がるのか



id:iammgさんの「学園闘争とツイッターの関係」を読んでのエントリー。





こちらで取っている授業の一つ、"Politics in Japan and South Korea"の中で、韓国の学生闘争の現代社会への影響について、興味深い話があったので、それについて書いてみたいと思います。





日韓のcivil society(市民社会)についての話だったのですが、その中で、韓国で社会起業家と呼ばれている方々のほとんどが学生闘争を経験した世代であるらしいです。(韓国では386世代と呼ばれているとか。60年代生まれで80年代に大学生だった00年代当時30代の世代の意。)





韓国の学生闘争は、以前こちら(「韓国から僕らが見習うべき3つのこと」)でも書いた通り、民主主義を求めて長い間、軍事政府と戦っていたので、その血をひいた韓国のNPOも矛先をより政府に向けており、政府と対抗すべく、大きな規模を持ち、また政策提言などを積極的に行うため、法律家などのプロフェッショナル層が多数参加していることが特徴的なんだとか。結果として、政府に対する影響力も強いそうです。(先日、派遣村の湯浅さんは内閣府参与を辞職されたましたが、このような市民社会の指導者が内閣に入るケースが韓国には多数あるそう。)





翻って日本はというと、NPOの起こりは自発的な市民活動が注目を浴び、NPO元年とも呼ばれている阪神淡路大震災のあった1994年ですが、もともとこのような国家的危機に対し、柔軟に対応できなかった政府の代わりに政府が行うべきだったタスクを自発的に市民が行っていったという経緯があるため、基本的に規模は小さく、また政府との協調関係を基本とした性格が強いらしいです。





この違いを聞いて、僕が思ったことの1つは近年、「社会起業」というキーワードが広く叫ばれるようになった理由は、日本のNPOの性格をより韓国のようなものに近づけようという動きが、日本のNPOに関わる方々の中であったからではないか、ということです。





元々、日本は政府に対する信頼感がとても強い国でしたが、失われた10年でそれが崩壊し、日本は迷走を続けています。そんな中で、より直接的な影響力を増やし、政府と対峙していける市民社会へと近づくべく、「社会を変える」というキャッチフレーズだったり、「起業」という刺激的な言葉を使うことで、優秀な担い手を増やし、またそこから規模の拡大を目指したのではないか、と。





これまでは、新しい担い手、規模拡大のための有力なターゲットであった学生たちは、売り手市場の中で、現状に疑問を持つことは少なかったですが、就職氷河期という原因が自分たちには全くない難局に直面し、これはおかしい、という危機感が高まっているように思います。





「社会起業」というキーワードによるある種のけしかけに応じる機運が学生の中に高まりつつあるこれからこそ、日本の社会起業家というムーヴメントはこれから本格化するのかもしれません。


実際、僕があったことのある優秀だなー、と思う学生の中では社会起業といった話題に対する注目度はかなり高いですし。





そして、twitterやUSTREAMなどのソーシャル・ツールによる集団合意の伝搬は「赤信号、みんなで渡れば怖くない」的な性格が強い日本人に対しては特に有効かもしれません。(実際現状、そんな感じですし。)





「どうして日本の若者は反乱しないのか」


なんて言われていましたが、平成維新の機は熟しつつあるのかもしれませんねー。








【参考】


韓国の社会起業家について


韓国の社会起業家訪問(まとめ)


韓国の社会起業家の方との交流





07 March, 2010

若者のサバイバル.2



mojixさんの「失敗できない日本」とけんすうさんの「失敗ができる国、日本」を読んで。





失敗できない就職活動の中で、失敗する確率が高まっている僕ら若者世代がこれからの社会を生き抜くには、お互いに助けあうしかないのかもしれません。


とすると、僕ら若者世代は、



”失敗のできない会社”に幸いにも入ることができた学生たちが、
”失敗を許容する法制度”の中で、失敗を経験して成長し、
けんすうさんのように起業して、
即戦力を求める中途市場を拡大するとともに、
さらなる雇用を創出し、以前、
”失敗できない会社”への就職活動でこぼれてしまった学生たちを
受け入れる窓口になる。

という循環を永続的なものにするべし。と、いうことになるんじゃないでしょうか。


これを達成するために、若者側でやれそうなこと、すすめていくべき、は次の3つ。(かな?)





1.起業という選択肢をより合理的にするべく行動する


日本は起業数が現状、非常に少ないのですが、(参考:「大前研一|天下の悪法が招いた「起業数激減」の行く末」、世界的にはロシアについでワースト2位というデータをどこかで見たような気がするのですが、見つからず。。)それを合理的な選択肢にするために考えられるのが、


リクルートさんのような風土の会社だと思って働く、アタッカーズ・ビジネススクールグロービスのような教育機関に通ってみる、はたまたのベーシック・インカムのような社会制度の制定に賛成する、などでしょうか。





2.安定志向をぬぐい去る


<「大学生の就職先人気企業、「華やかさ」去り「安定志向」へ」というニュースが先日ありましたが、過去30年の就職人気企業ランキングでも分かるように、日本の学生の考えは過去30年間、全く進歩していません。


しかし、一般的に言って、企業寿命は30年なので、ここに載っているような企業は危険が潜んでいると思った方がいいと思ったりしています。(2005年1位のJALは破綻しましたし。)


また、日本企業の雇用システムは、途中でやめると損をする仕組みなのでなかなか飛び出せなくなる可能性が高ので、勇気を持って、そういうところに入ろうと試みないことも大事かもしれません。


人生の安定を終身雇用型の会社に求めるのは、これからの時代だと危ないんじゃないのかなー、と個人的には思っています。





3.専門性を強化する


こぼれ落ちてしまった場合には、新卒以外で入ろうと思うと、専門性が当然必要となってくるので、大学院に進学するなり、id:phaさんの書かれている「知らないと損する職業訓練」のようなものに通う必要があると思います。民主党政権だとここはさらなる拡充を訴えれば、通りそうな気も。


実際に、「大卒者の専門学校入りが急増 就活で就職浪人より「新卒が有利」で」のような動きもあるようですね。


立場的には大学がこういうのをやるべきなのでしょうが。。








と、つらつら書いてみましたが、自分がどちらに転ぶのか、全く分からない立場。(苦笑)


留学生採用は枠が小さいのでなおさら。





就活こわい。





他に頼れないのであれば、僕ら世代で助け合いながら、生きていけるようになっていけるといいなぁ~、と思います。


もう既に内定をもらっている方には是非、頑張っていただきたいところ。





【最後に】


起業関連で、面白い、面白かったエントリー。


資本金1円で起業して、就職氷河期を乗り切る方法


イマドキの起業のしかた - 渡部薫


前にも、似たようなエントリーを描いたので、そちらも是非。


若者のサバイバル・プラン





06 March, 2010

国内にいても英語に接する5つの方法

もうすぐ日本に帰るので、どうやって英語に接する環境を最低限維持するか、ということをよく考えます。

英語を勉強している方に役に立つこともあるかと思うので、現状、知っている情報を共有してみたいと思います。

学生なので、なるべく安価にいきたいのですが、その中でもなるべく良質なもの、楽しいものをいくつか。(正直、メジャーなものしか知りませんが。)

TED

http://www.ted.com/

もう誰でもご存知な気がしますが、様々な分野の世界中の著名人(Al GoreやMalcolm Gladwellなど)のスピーチが無料で視聴できるサイトです。

英語の字幕は当然表示可能で、中には日本語の字幕が選択可能なものもあります。

スピーチ時間も20分くらいなので、ちょっとした時間にでも。ちなみにiPhoneアプリ(無料!)もあり、僕は電車の中で見たりしてました。

academic earth

http://academicearth.org/

こちらも著名ですが、アメリカのトップ大学(ハーバードやスタンフォード、MITなど)の講義が視聴できるサイトです。(こちらも無料)

時間は短いものから長いもののまで様々です。

よりアカデミックなものを見たいときはここ、という感じ。

同じようなサイトに『YouTube EDU』(http://www.youtube.com/education?b=400)というのもあります。

レアジョブ

http://www.rarejob.com/

オンライン英会話サービスです。

25分129円という爆安さが素晴らしいです。

しゃべる機会がなくなってしまうので、これは使いたいなー、と思っているところ。

The Globalist

http://www.theglobalist.com/

"The Globalist" "aims to provide current and up-to-date news analysis and perspectives on wide-ranging global issues that touch all global citizens"という、オンライン・デイリー・マガジンです。

ハーバード大学ケネディスクールの学長だったJoseph Nyeなど、トップクラスの方々が寄稿されてるので、かなり質は高いと思います。

登録が必要ですが、無料です。

Chatroulette

http://chatroulette.com/

以前、TwitterのTLに流れてきた比較的新しいサービスです。

ランダム・チャットサービスです。世界中いろいろなところにいる人とランダムにチャットができます。

出会い系を求めているユーザーが多く、股間のどアップがいきなり出てきたりするので、女性には勧められませんが、10回に1回ぐらいまとも人にあたるので、その時は楽しくチャットできます。

僕が実際にチャットした人だと、NYC在住のプロ・パフォーマー(Haiti人)、New Orleansの消防士さん、Egyptの女の子、Turkeyの男の子などなど。

まともなチャットだと結構楽しいですが、あんまり勉強になるのは、カジュアルな英語の使い方ぐらいかなー。まぁでも、暇つぶしにはなります。

「ほかにもこんなのが!」というのがあれば是非教えてください~。

04 March, 2010

3週間続ければ



一生が変わる。





ということで、ブログを再び始めて、今日で3週間なので(3日ほど休んでますが。。)、僕のバイブルである「3週間続ければ一生が変わる」をご紹介。





この本を読んだのは、約1年ぐらい前。自己啓発本にハマってた時のことでした。(誰にでも一度は経験あるのでは。笑)





どこかで見たことあるものが多かったりもするのですが、全体的な考え方としてしっくりくるものが多く、類書の中でも一番のお気に入りです。(シンガポールにも持ってきて、2週間に一回は読み返し、気合を入れなおしています。)





【目次】


1.「できない自分」から行動型人間へ


2.「時間のムダづかい」から有効活用へ


3.「弱気な自分」から一歩前に出る自分へ


4.「不満・くすぶり」から能力開花へ


5.「気分屋」から意識的な生き方へ


6.悪いストレスから心身のリフレッシュへ


7.とめどない忙しさから心の豊かさへ


8.「つきあいべた」から積極的な人脈づくりへ


9.「仕事人間」から賢い家庭人へ


10.無目的人生から「実りの人生」へ





内容は思考法、時間管理、健康管理まで多岐にわたります。





特に好きなのが、”慣習と反対の道を行く”や”いちばんなりたい人物のようにふるまう”、”ゴール・カードを持ち歩く”といったもので実践を心がけています。(周りは留学といえばアメリカですが、シンガポールにしてみたりとか。)





”ヒーロー・リスト”や”話し方コース”、”日の出とともに起きる”なども未だに出来ていないことも多いですが、大学生のうちにコンプリートしたいところ。





まだまだ果てしないですが、頑張っていきたいと思います。


書店で見かけることがあれば、是非立ち見してくださいませ。


(ちなみにアマゾンのマーケットプレイスで1円で買えるみたいです。笑)









03 March, 2010

総発信時代の威力



以前、受講している授業として紹介した(→「アジアの中での日本のWeb」)"Digital Media across Asia"で興味深い動画を見たので、ご紹介。





まずは、騒動の発端となったユニリーバのDoveのCMから。






美容産業が美しさというものに関して、情報を過度に提供しすぎ、溢れてかえってしまっている現状を揶揄し、自社の「self-esteem program」への導線としたわけですが、それに対して、自然保護団体として有名なグリーンピースが作った動画がこちら。









こちらはそのCMをパロって、世界最大のパーム油の買い手であるユニリーバに対し、「同社の主力商品ダヴに森林破壊の大きな原因になっている、インドネシア産パーム油の使用をやめなさい。」というメッセージを訴えたもの。





その後、実際にユニリーバはグリーンピースの要求を受け入れたようです。(コチラ参照)


大企業に対抗するCMをNGOが作り、それが実際に状況を変える、といった事態はYoutube以前ではありえなかったことであり、誰もがその気になれば、情報を発信することができる総表現社会のものすごさを改めて実感しました。


きちんとしたメッセージ性があれば、社会を変える、ということの障壁はこれまでになく、下がっているように思います。


また、このCM騒動があったのは2008年4月ですが、今現在で考えれば、Twitterの登場で意見を発する、表現する事自体のとっつきにくさはさらに薄れつつあります。





本当にあとはやるだけという状態なのかも。





Blogも地道に続けていきたいと思いますが、動画とかも作れるようになりたいなー。





02 March, 2010

韓国から僕らが見習うべき3つのこと



オリンピックや2chのサーバーダウン等々、ここ数日、韓国が話題ですね。





なんだかものすごいdisられてるので、日本人も見習った方がいいんじゃないかなー、と思った韓国のすごいところを紹介してみます。





1.外への意識の高さ


id:Chikirinさんも「IMF危機下の韓国ドラマが伝えるもの」で書かれていましたが、韓国人の海外に出て行こう、という意識はすごいと関心するばかり。


今、同じ留学先にいる日本人は合わせて8人、前学期限りで帰ってしまった半期の子を含めても10人といった感じですが、韓国から来ている子は半期20人づつといった感じで、一年いる子を差し引いても30人ぐらいはいました。


韓国の人口は日本の約3分の1であるのに、留学生は日本の3倍という事実。


恐ろしいかぎり。





2.勉強熱心さ


1ともかぶるところがありますが、韓国は日本と同じような大学教育システムらしく(200人ぐらいは入る大教室での講義がメイン)、こちらで一般的な比較的少数(50人)のセミナー形式(発言が求められる)はあまりないそうです。


しかしながら、韓国の学生はその多くが将来的に海外大学院等に進学することを念頭に入れているので、GPAを上げるべく、そんな学習環境など気にすることなく、必死に勉強しています。


見ているこちらが心配になるほどですが、日本の現状を鑑みると悲しくなるばかり。(参照:「大学生が勉強するべき理由を考えてみた」)





3.社会参加の意識の高さ


ほんの20年前まで韓国は軍事政権でした。


それを変えるべく、立ち上がったのが大学生たち。


デモを行い、壮絶な仕打ちを受けたものの、結果的に民主主義を勝ち取りました。


一方、日本でも、以前、全共闘などが起こりましたが結局何も得られないまま収束しています。


1980年には虐殺などの事件が起きている(光州事件)にもかかわらず、結果が出るまで続けたというのはすごい、という言葉しかでてきません。


今であれば、目標はシルバー民主主義の打破でしょうかねー。


打破して、次はどうするというのがわからない現状ですが。。


【参考】


子供にも1票で「シルバー民主主義」は変えられる?


シルバー民主主義


ちなみに、韓国のNGOやNPOは政策提言などを積極的に行い、政府にも影響力をもっているそうです。


そういったことをできる団体を若者の手で作っていけるといきたいですねー。





なんにせよ、海外に出れば、日本人が日本人以外で最も仲良くやっていける貴重な国。


日韓が「世界」になるべく、お互い切磋琢磨できるようなよい関係でいたいなー、と思った次第です。





01 March, 2010

アジアの中での日本のWeb



自分のはてブから当時の記事を検索してみたら、


もう9ヶ月も経ってるのかと懐かしくなった話題。





「日本のWebは残念」論争。


【参考】


日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編)


日本のネットが「残念」なのは、ハイブロウな人たちの頑張りが足りないからかも知れない(追記あり)


日本のウェブの残念度を下げるために、私たちができそうな7つのこと+α


梅田氏と「アテネの学堂」





当時は、「アテネの学堂」は結局、英語圏でしか成立しえず、それ以外では難しいのだろう、と思ってました。


それに参加しよう、という意気込みのある層、ハイブロウな層というのは当然、英語くらい使えるだろう、と思っていたので。





ただ、現時点で考えみると、twitterという手軽なツールが浸透してきつつあり、ハイブロウな方々の日本語でのディスカッションがなされているように思います。





結局、日本のウェブサービス全般が「アテネの学堂」を許容し得る


インターフェイスでなかったということなのかな~、と思います。





そう考えると、改めて残念。





一方で、ウェブの世界はそういったハイブロウなものだけではなく、むしろそうでないものの方が当然、圧倒的。


Facebookやtwitterのupdateやpostも個人的なものが多いですし。


そういった一般的なウェブサービスに関してはまだまだ日本勢もイケるのでは、と期待しています。





今、こちらで”Digital Media across Asia”というメディア系の授業を受講していて、その中でアジア各国のネットの動きについて勉強しているんですが、日本のウェブってアジアの中では当然の如く、最先端を行っているので、アジアの未開拓市場でのそういった路線のサービスであれば、「日本発=最先端」みたい等式が辛うじて成り立っている今ならまだいけるのではないか、と思っています。





ニコニコ動画も台湾版がありますし、楽天もアジアに力を入れていくらしいですしね。





mixiみたいな日本語以外に対応しておらず、日本の携帯のアドレスが必要で、ページ遷移のやりにくいものは個人的には爆発していただきたい。(笑)








ということで、アジア各国のネットの動きをまとめるwikiを授業のプロジェクトとしてすすめています。


この授業をとった初の日本人ということで、日本のそれについてこれからまとめていきますので、ご興味ある方是非、御覧下さいませ。


(インタビューはすでに新しいものをとり終えており、アジャイル・メディア・マーケティングの徳力基彦さんTokyo 2.0を主催されているAndrew Shuttleworthさんにご協力いただいています。)


"Digital Media Across Asia"


http://comm215.wetpaint.com/


【関連】


最初から世界へ


日本のベンチャーよ、世界を目指そう





「仕事=??」論について書いてみる



つい先日、海外ニートさんとえがちゃんこと永上裕之さんの間での論争が盛り上がっていました。


【参考】


「飲みニケーション」とかの次元じゃない”若手”の仕事の楽しみ方


「仕事=人生」以外の価値観は認めないw。


Re:「仕事=人生」以外の価値観は認めないw。 ニートの海外就職日記


自分の仕事に対する意見は偏りすぎていた気がしました…。


お互いの仕事観の相違がブチ壊す友情。


僕は留学中の身で、帰国後就職活動を始める予定なのですが、


働いていないかつ、就職に関して情報がない現在の自分の視点で思うことを書いてみたいと思います。


今は当たり前だと思っていることだけれど、忘れないためにに。





まとめると、






1.「仕事=人生」があるのは全く構わないと思う。

2.ただ一方で、それは全員に強要されるべきではなく、
「仕事≠人生」という価値観も認められるべき。

3.だからこそ、「仕事=人生」が当然と思われている日本はおかしい。

4.変えていく必要があり、それは日本人にしかできない。




ということ。





結局、人より時間を使うから人より秀でたり、高い目標を達成できるのだから、個人が達成したい何かを達成するために時間を使うのは当然のこと。もし、達成したい何かが仕事に関わることなのであれば、「仕事=人生」な価値観があって当然であって、しかるべきだと思います。





ただ、人には個人差があるので、興味・関心や不得手によって仕事をやりたくないと思うこともあると思います。もし、それにも関わらず、「やればできる」と言われ、状況に変化のないまま、同じような仕事を強要されるのであれば、それは間違っていると思っていて。





特に「やればできる、できないのはやる気がないからだ。」みたいな体育会系な考え方は、「はだしのゲン」のセリフでいう「竹槍訓練しないやつは非国民じゃ! 」(うろ覚え)並におかしく聞こえます。





そもそも、こういう考えってやればやるほど実際に成果が出ていた高度経済成長期に生まれた価値観ではないか思うのですが、今や日本は全般に(残念ながら)落ち目な企業が多いので、組織の中でやればやるほど成果が出るなんてことはないのではないでしょうか。





GDPが国の尺度として疑われているように、個人レベルでもこういう価値観の押し付けは疑われてしかるべきと思います。





落ち目だからこそ、しっかりと働くことが大事という意見もあると思いますが、高度経済成長自体、日本が独力で達成したものではなく、日本人の勤勉な労働態度等内的要因よりも朝鮮戦争が起こったことや冷戦下であったため、アメリカから経済的な支援があったこと、また軍事にお金を使う必要がなかったこと、といった外的要因の方が僕は影響が強かったのではないかと考えています。





事実、シンガポール・香港・台湾・韓国も同じような経済成長を遂げているわけですし。





また、僕の周りには日本に興味・関心をもっていて、日本に行きたいという子もいますが、「日本で働きたいと思う?」と聞くと、「仕事で死にたくないから難しそう。」と返答されます。


少子化の日本が、競争力を保つには、遅かれ早かれ移民が必要となって来るのは間違いないでしょう。(コチラ参照)


その受け入れ態勢を整えるためにも、日本人にしか通用しない「仕事=人生」の価値観は一刻も早く変えていかなければならないし、それは日本人にしかできないことだと感じています。





そんなことを考えながら、行きたい企業が見つからない今日この頃。。