29 July, 2011

Facebookにおけるアプリの価値について考えてみる





本日気になったニュースから考えたことを整理する意味でブログに。

考えるきっかけとなったのは、本日Twitterで流れてきた、@tokurikiさんの以下のツイート。

台湾Facebookページのファン数1位はセブンイレブンで、なんと140万人。継続的にキャンペーンアプリを数十個作ってファンを集めたそうです。最終的には日本もこうしたアプリの開発合戦になるんですかね。 http://ow.ly/1v5M3o #smskansailess than a minute ago via HootSuite Favorite Retweet Reply



今日、このアプリ開発競争が日本で起こるのか、それがどんな結果をもたらすのかをずっと考えてました。

ちなみに、僕はこのツイートをみたとき、すごいと思ったのでRTしました。
台湾は日本よりFacebookユーザーが多いとはいえ、それでもまだ1000万人ほど。
その中で140万人を獲得しているというのは確かにすごいことです。

アプリやばいなぁー、と。

しかし、その後ある記事をRSSで発見し、少しその考えを改めました。
本日かなりのバズが起きていたその記事で以下のように、FacebookユーザーのFacebook内におけるそれぞれの機能の利用時間の内訳が明らかになったのです。



上の図から分かるようにその内訳はニュースフィード27%,プロフィール21​%,写真17%,アプリ10%,その他25%といった形。

つまり、どれだけFarmVilleが凄いとはいえ、アプリに使われている時間は全体の10分の1に過ぎないのです。

もちろん、その10%は、そこに特化しているZyngaなどがIPOできるほど強力な10%ではあるのですが、その10%を取るために、特に顧客とのコミュニケーションを目的にFacebookページを開設するような企業がアプリを開発することは果たしてペイするものなのでしょうか。

日本がFacebook後進国であるとはいえ、アプリの利用時間がこの数値から大きく上昇することは考えにくいのではないかと個人的には思います。
なぜなら、日本におけるFacebookが、Facebook上にソーシャルグラフが形成された後にアプリが始まったアメリカと異なりソーシャルグラフが形成されていない状態で既にアプリを使える環境にあるとはいえ、そのサービスの思想上、アプリで遊ぶためにFacebookを使うわけではないからです。

そのような条件下で、アプリの開発競争が加熱すると(数値的な)結果が出ないばかりか、数値は上昇したとしてもその企業とさして関係のない(うすい)ユーザーばかりが集まり、表面上の数値が高いだけで全く盛り上がらないFacebookページになることは間違いないのではないでしょうか。

現状でも新規登録時のサジェストやFacebook広告でファンの数を増やすことはできるのですが、それらはほとんどのケースでコミュニケーションの活性化に繋がっていません。

もちろん、ターゲットにあったアプリを展開し、ファン数を増やしながらコミュニケーション量(いいね!数、コメント数)を拡大できればいいのですが、それは競争の加熱によって間違いなく難しくなります。(現状の台湾セブン・イレブンはそういった点でも成功しているようですが。)

従って、個人的にはいかにアプリを活用し、ファンを増加させることでコミュニケーションの増加を狙うよりも、ユーザーがアプリの3倍利用しているニュースフィード上でのコミュニケーション(ウォールでのコミュニケーション)の質をいかに向上させていくかを考えるべきと思います。

なぜなら、ファンとのエンゲージメントを築くという点でもこれが最も重要な点であり、これこそがFacebookの最大の強みとなる点だからです。

ファンさえ集まればオッケーなら旧来のマスメディアの機能と同じであり、そこから一歩進んでコミュニケーションをとろうとしてもそれをうまく行うことができなければ情報の伝播力に勝るTwitterを使った方がいいでしょう。

TwitterにないFacebookの最大の強みはエッジランクです。(詳しくは→『』Facebookをマーケティングで使う上で知っておくべき18のこと
Twitterでは、たとえつぶやきを投稿したとしてもその投稿が流れてしまうとその情報がみられる確率はほとんどなくなってしまいますが、重要な情報が確実に伝わるような仕組みをとっているFacebookではFacebookページ上でのコミュニケーションの回数が増えれば増えるほど、そこでコミュニケーションを行ったファンには確実にそのFacebookページの最新情報が表示されるようになります。

それは、ファンをより親密なファンへと変えられる可能性を示唆しており、それがFacebookというプラットフォームの革新的な点です。


ということで、Facebookアプリの話からだいぶ脱線しましたが、結論としては、

・数を求めてアプリ開発!なんて起こらないことを祈ってやまない。そもそも数だけを追うのはやめてほしい。
・それよりも質を高めるかを考えてほしい。それが最も重要であり、Facebookの価値だと思う。
・質を念頭においたアプリの活用はありかもしれないが、使ってもらうのは大変なのでは。。

といったところ。

そもそもFacebookが生まれたアメリカにおけるFacebookアプリ開発のピークは2007年から2008年頃のことであり、とうの昔に過ぎています。(StanfordでCSを専攻している学生に聞いた話。)

今はむしろFacebook上のソーシャルグラフを(Facebookコネクトを使って繋ぐことで)いかに外部で活用していくか、というフェイズにあります。

もちろん、日本のFacebookにはそこまでのソーシャルグラフは形成されておらず、かつHTML5など可能性が広げる技術が広まろうとしているなど置かれている条件は違うのですが、アプリをするためにFacebookをしにきているのではない、という点は変わらないと思うのです。

いろいろ考えがあっちこっちへ行ってしまいましたが、考えるきっかけを作ってくださった@tokurikiさんに感謝!!:-)


【参考】
CHART OF THE DAY: Facebook Users Barely Ever Use Facebook Apps



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Google UKが始めたこれからのデジタルや社会について考える『Think with Google』がいろいろと楽しみな件





僕はMashable!やTechCrunchよりもBusiness InsiderやGigaOMのようなデジタルテクノロジーの今後について考える記事を書くものやBrain PickingやTEDのような扱う範囲は広範でも非常にクオリティの高いメディアが個人的には好みなのですが、そんな僕のツボを抑えたプロジェクトがGoogle UKから始まったのでご紹介。

そのプロジェクトがこの『Think with Google



『Think with Google』は記事形式の『think quarterly』と動画形式の『think voices』の2つから構成されています。

Think Quarterly』は一言でいえば、Google版のMckinsey Quarterly。



今年3月に発行された第1号では、データのもたらすインパクトについて、多くのゲストライターが意見を書いていたり、
Googleのマーケティングマネージャー、Rich Pleeth氏がNFCについて書いていたりしました。
ちなみに今号は、イノベーションについて特集しています。
文体も平易で冗長でなく、非常に読みやすいです。

一方、『think voices』は短縮版TEDといった感じ。



それぞれの動画は1-5分とかなり短いですが、それぞれの分野のトップランナーが最新のデジタル技術やこれからのマーケティング、
また意思決定を変えてしまうようなイノベーションのおこし方といったトピックについて意見を述べています。
さらに、think voicesの素晴らしいところはスクリプトが揃っており、しかも今どの文章を話しているのかがわかること。
英語の勉強にまさにうってつけだと思います。

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まだまだコンテンツは少ないですが、これからの展開が非常に楽しみ。
僕もまだ全ては見れていないので、じっくり読みたいと思っています:D


【参考】
Google UK Launches its Think with Google online channel

28 July, 2011

ソーシャルリクルーティングの実情





ソーシャルメディアを活用した採用活動、ソーシャルリクルーティングが日本にも動きとして活発化しつつあるように感じます。
全ての業界に適用できるわけではないと思いますが、紙の履歴書を書かせるよりはるかに合理的なので個人的にはよいことなのではないかと思っているのですが、そんなソーシャルリクルーティングに関して、アメリカの現状をまとめたインフォグラフィックが『ReadWriteWeb』にあったのでご紹介。


■採用・就職ツールとしてのソーシャルメディア



採用側:
89%のアメリカ企業が利用に意欲的。
2010年から実に83%上昇。

求職者側:
82%がソーシャルメディアを利用。
1440万人が彼らの直近の仕事を探すためにソーシャルネットワークを活用。


■ソーシャルリクルーティングの意義と実績



64%の企業がソーシャルメディアを通じて、人材を獲得することに成功。
55%の企業がソーシャルリクルーティングの予算増加を検討。
リファラル(身分照会)がしやすいことが最も大きなメリット


■ソーシャルリクルーティングに利用するプラットフォーム



・企業側が利用しているプラットフォーム(数字は図より推定)
LinkedIn:85%
Facebook:55%
Twitter:50%

64%は2つ以上のプラットフォームを併用。

・求職者が利用しているプラットフォーム(数字は図より推定)
LinkedIn;35%
Facebook:78%
Twitter:40%

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思いの外、求職者によるLinkedIn利用が少ないことに驚きました。
リクルーターがLinkedIn上には多くいることが知られていないのか、はたまたデジタルデバイドの問題でしょうか。

ただ、昨日ニュースであったようなLinkedInから応募ができるプラグイン"Apply with LinkedIn"のような形で採用活動の中にソーシャルメディアがより見えやすい形で組み込まれていければ、求職者側の行動も変わるのではないかとも思います。



日本でもFacebookを使った採用活動/就職活動が広がりを見せていますし、今後の展開に期待したいところです:)


【参考】
Led by LinkedIn, Social Recruiting Continues to Grow [Infographic]



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27 July, 2011

『The Economist』のクリエイティブなカバーを眺めてみる





地味に当ブログの人気コンテンツとなっている『眺めてみる』シリーズ。
(過去記事;『CreativeなFacebook landingページを眺めてみる』、『Appleの歴史を広告とともに眺めてみる』)

第3弾は、世界中の知識層に愛読されている経済誌、『The Economist』から。

『The Economist』はその質の高い記事で出版不況とは無縁の存在にあるのですが(『The Economist』の素晴らしさについては@yokokloedenさんの『The Economistを読もう!』に詳しいです)、毎回のクリエイティブなカバーも大きな魅力だと思っています。
例えば、2009年の日本の衆議院総選挙にて民主党が勝った際には以下のようなカバーでした。



今回はそんな『The Economist』のカバーの中からスタッフが気に入っているというクリエイティブなカバーをいくつかご紹介。


■"The trouble with mergers"



いきなり物議を醸しそうですが、こちらはクライスラーとダイムラーの合併について扱った1994年7月のカバー。他にハイエナやサイも候補だったそうですが、最終的にラクダに落ち着いたのだとか。ちなみに非常によく売れたものの、アメリカでは苦情が殺到、またサウジアラビアでは販売禁止になったらしいです。笑

■"The trouble with mergers"



The Economistのカバーに誰よりも多く採用されているKevin Kallaugherの作品。The Economistに言及される際にも最も使われている表紙だとか。

■"Drowning in oil"



このカバーは1999年当時、下落が続いていた石油価格について書いた号のものだったのですが、その後、The Economistの予測とは反対に石油価格は145ドルまで上昇していきました。その教訓として、強く印象に残っているカバーのようです。

■"Greetings, earthlings"



2000年6月、韓国と北朝鮮の南北首脳会談が実現した際のカバー。”Greetings, earthlings(地球のみなさん、こんにちは)”とはなんともシニカルなコピー。

■"Why Silvio Berlusconi is unfit to lead Italy"



イタリアのベルスコーニ首相を痛烈に批判した号のカバー。イタリアマフィアのような風貌のベルスコーニ首相の写真が見事。
外国メディアが彼について深く言及したのは初めてだったようで、今もイタリアでは人気のカバーなんだとか。

■"Rwanda, remembered"



ルワンダ国民の10-20%が虐殺されたとされるルワンダ大虐殺から10年を綴った2004年の号のカバー。
ルワンダ大虐殺は、The Economistのチームも真相を掴み、報道することができなかったのだとか。
そのような過去を忘れないため、多く売れたわけではないものの重要なカバーのようです。

■"Germany's surprising economy"



ドイツの経済が今後回復していくのではないかと予測した2005年の号のカバー。ドイツメディアの間でも広く議論を呼び、その後のドイツ経済の進展によって、The Economistの予測は正しかったことが立証されました。

■"After the fall"



2005年当時、急上昇が続いていた住宅価格に対して警鐘を鳴らす号のカバー。
素晴らしい洞察です。

■"Terrorism: London under attack"



ロンドンでのテロ事件を受けて、急遽変更された号のカバー。
シンプルかつ、効果的に何が起きたのかを伝える素晴らしいデザインです。

■"Hurricane Katrina: The shaming of America"



こちらはカトリーナ後のニューオーリンズの状況をレポートした号のカバー。このカバーには苦情が殺到しましたが、それはまさにカトリーナのインパクトの大きさを物語る何よりの証拠だったとのこと。

■"The credit crunch: World on the edge"



金融恐慌についてレポートした号のカバーとなったのがこちら。
そのインパクトについて考えたい識者からの支持を受け、多くの部数を発行する号となりました。

■"Brazil: Brazil takes off"



個人的に今回紹介するカバーの中で最も気に入っているのがこちらのカバー。(このカバーに釣られて実際に買ってしまったので。)
ブラジル経済の明るい展望についてレポートしたこの号はブラジルはもちろんのこと、アメリカでも大きな注目を集めたのだとか。この表紙は顰蹙を買うのではないかと心配されましたが、苦情は1件しかなかったらしいです。

■"Gendercide"



少女虐殺の現状について扱った号のカバー。ヘミングウェイが自身の最高傑作と称する'For sale: baby shoes, never used.'という言葉にインスパイアされた作品だとか。
怖い...。

■"Shifting sands"



中東で相次いで起こった革命について扱った号のカバー。
ムバラク元大統領が砂漠に飲まれていく様子を描いたもの。

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他にも毎回、非常に興味深いカバーの『The Economist』、いつも非常に勉強になりますので是非読んでみてください。
文章、内容ともに難解で大変ですが、得られるものも非常に大きいです。
(僕ももっと読めるようになりたい><)


【参考】
These Are The Economist Staff's Favorite Covers From The Past 20 Years

26 July, 2011

クリエイティビティーやイノベーションについて考察する意欲的プロジェクト "Everything is a Remix"





クリエイティビティーやイノベーションといった概念について、多くの示唆を与えてくれる素晴らしいビデオシリーズを発見したのでご紹介。

New Yorkを拠点に活動するFilm Maker、Kirby Fergusonが制作している『Everything is a Remix』は、
エンターテイメントのこれまでの進展からテクノロジーの進歩の過程からクリエイティビティーの要素やイノベーションの背景に関する考察を行うプロジェクト。

全4部で構成されており、これまでに3部まで公開されているのですが、どれも非常にクオリティーが高いので是非御覧くださいませ。
今まで知らなかった多く発見が得られること間違いなしです:)

これまでの3部を解説加えつつ以下に。
(動画下に日本語字幕つきで見られるUniversal Subtitlesのリンクを貼っていますのでもし英語が分かりづらければそちらからどうぞ。javascriptがうまく貼れず申し訳ありません><)


▼『Everything is a Remix Part 1

Part 1 のテーマは"The Song Remains the Same"ということで現代音楽を扱っています。
Led Zeppelinの話は個人的にはかなり衝撃的でした。

Everything is a Remix Part 1 from Kirby Ferguson on Vimeo.



Everything is a Remix | Universal Subtitles

▼『Everything is a Remix Part 2

Part 2 のテーマは”Remix Inc.”
現代の映画作品の内実に迫っています。
Star WarsやKill Billの検証は圧巻。

Everything is a Remix Part 1 from Kirby Ferguson on Vimeo.



Everything is a Remix Part 2 | Universal Subtitles

ちなみに、Kill Billの検証はフルで行ったものは以下からどうぞ。

Everything Is A Remix: KILL BILL from robgwilson.com on Vimeo.



▼『Everything is a Remix Part 3

Part 3 のテーマは"Element of Creativity"
テクノロジーの進歩などを題材にそれがどのようなプロセス、要素で起こったのかを解説しています。

Everything is a Remix Part 3 from Kirby Ferguson on Vimeo.



Everything is a Remix Part 3 with subtitles | Universal Subtitles

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この動画シリーズだけでも多くの学びがあるのですが、視聴しながらきっとこういったプロジェクトの促進がKickstarterCampfireReady for? が目指すところなんだろうなぁとも思ったりしました。

ちなみに、最終回は今年秋に公開される予定の模様。
法律、道徳、芸術などをテーマとしたものになるようなのでこちらも楽しみです。

最後に、このプロジェクトのHP『Everything is a Remix』から寄付をプロジェクトに対する寄付をすることもできますので、みなさまこちらも是非に:)
(参考資料や制作に使用されているツールなどもHPから見ることができます。)


【参考】
VOTD: ‘Everything Is a Remix’ | /Film
Everything is a Remix, Part 3: The Elements of Creativity | Brain Pickings
Ever watch a movie and suddenly feel like you'd seen a particular scene before? You're not crazy and you're not imagining things—it's just that nearly every movie is somehow a remix. Don't believe it? Watch this.

25 July, 2011

大きな可能性を秘めたアフリカにおけるデジタル環境の現状





アフリカのインターネットの状況に関するデータをTumblrから拾ったので久々に新興国マーケットのお話。
アフリカについて勉強したのはほぼ初めてでしたが、いろいろ勉強になりました。

以下、いくつかトピックスごとに。


■アフリカにおけるインターネット普及率



アフリカ全体のインターネット普及率はまだわずか10.9%。
そして、驚くべきことにBRICSの一角、南アフリカが平均以下の10.8%。(とするとどこが平均を押し上げているのだろうか。)
しかし、2010年におけるインターネットユーザー数1億1千万人は2000年からみると実に2357%もの成長を
遂げており、携帯所有者も2年で2倍に増えているようです。

インターネット利用者に占めるFacebookユーザー数では、チュニジア・南アフリカは50%を超えているものの、ガーナでは30%、エジプトは16%程度でしかありません。


■アフリカ主要各国における人気webサイトトップ10



南アフリカ、エジプト、ナイジェリア、ケニアという4カ国における人気webサイトを見てみると、トップ5は全てアメリカ発のサービス。Googleの現地版、Facebook、Youtube、Yahoo!などです。

興味深いのはgoogle.comもかなり上位に入っていること。日本ではgoogle.co.jpはまだしもgoogle.comはほとんど使われていない気がするので意外ですね。
アフリカのインターネット利用者はまだ一般大衆よりも英語に問題のない高学歴層が多いことを示唆しているのかもしれません。


■アフリカにおけるFacebookユーザー



アフリカで最もFacebookユーザーが多いのは、エジプト。
さすがといった感じですが、それでもユーザー数は565万人程度。
以下、2位に南アフリカ、3位にはモロッコがランクインしています。


■南アフリカで人気のSNS



南アフリカで最も人気のソーシャルネットワークはFacebookでもTwitterでもなく、Mxitというもの。
Facebookユーザー(376万人)の3倍の約1,000万人のユーザーがいます。
(インターネットユーザーを超えているためおそらく携帯利用者も含めた総数と思われます。)


■アフリカにおける携帯普及率



携帯普及率の世界平均はまだ60.8%。
しかし、アフリカの国全てがそれより低いかというとそんなことはない様子。

100人に占める携帯所有者は、アルジェリア(92.7人)、南アフリカ(92.2人)と90%を超え、
ガボン、チュニジア、モーリシャスは80%超えています。
一方、エジプトの普及率はまだ50%なんだとか。


■アフリカのスマートフォン事情



これが一番驚きました。
スマートフォンの各OSのシェアはiOSが5%、Andoroidが0.5%、WinMobileとRIM OS(Blackberry)が1.5%。
残りの90%はというと、NokiaのOS、Symbianが握っています。
ここは今後急激に変わっていくことが予想されますが、何年後に動き出すでしょうか。

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以上、いろいろまとめましたが、出典となっているインフォグラフィックスは全てTumblrブログ『Afrographique』に掲載されていたものなので興味のある方は是非フォローを。

また、日本語でアフリカに関するニュースを発信しているメディアとしては以下がオススメです。
Rising Africa | ライジングアフリカ
STONE

アフリカ、新興国に興味のある方はこちらも是非フォローされることをお薦めします!


【参考】
Afrographique (An infographic breakdown of the African...)
Afrographique (Infographic charting the positions and...)
Afrographique (Comprehensive infographic of Facebook penetration...)
Afrographique (A comparative infographic of Mxit, Facebook and...)
Afrographique (Infographic depicting the top 10 mobile...)
Afrographique (Infographic depicting the market share of various...)


22 July, 2011

Googleは私たちの記憶の仕方をどのように変えているか





インターネットが人に与える影響について、非常に興味深い研究結果がBBCで紹介されていたので思ったことなどを書いてみます。

まず、その研究について。
"Google Effects on Memory: Cognitive Consequences of Having Information at Our Fingertips(Goolgeが記憶に与える影響)"という論文においてコロンビア大学の心理学教授、Betsy Sparrowは、検索エンジンとともに生きる現代の私たちは情報自体を記憶するよりも情報のありかを記憶するようになって来ているという検証結果を報告しています。

その実験内容の1部について、『WIRED』の記事から抜粋すると、

46人の大学生を対象に行った実験では、学生たちはトリビア的な知識を覚えて、コンピューターにタイプ入力するよう指示された。例えば、「ブルーバードは青い色を見ることができない」「アル・カポネの名刺には、中古家具販売と書かれていた」といった知識だ。

半数の学生には、入力した内容は消去されると伝え、残りの半数には、入力した内容は保存されると告げた。続いて学生たちに、入力した内容を記憶から呼び戻すように求めると、「消去される」と言われたグループの方が、およそ40%よい成績だった。

興味深い現象も見られた。それは、名前や日付が変更されるなど、事実にわずかに手が加えられた場合の識別に関してだ。オンラインに記録されたと考えている場合には、それを識別する能力が低くなったのだ(87%から78%に減少)。


と、後で見ることができる(パソコン上に保存されている)と伝えられた場合には、記憶力の低下を招くことを明らかにしました。

しかし一方で(この記事では触れられていないのですが)、後で見ることができる(パソコン上に保存されている)と伝えられた場合、どこに保存されているのかといった情報の場所に関してはとても強く記憶していたことがわかりました。

このような結果をうけ、Betsy Sparrow教授は"Googleは私たちを馬鹿にしているのではなく、私たちが与えられた環境にあわせて記憶する方法を変えているだけ"と述べ、"あるトピックについて詳しい友人にその分野の情報を頼るのと同じようにコンピューターを頼るようになっている"としています。

結局、人は最も簡便な形で情報にアクセスすできるような処理を行っているのであり、情報のありかについてのみ記憶し、その詳細については記憶しないことによって、より理解すべき大きな問題に取り組んでいるのだ、というのがBetsy Sparrow教授の見解です。


この研究の記事を読んで感じたこと。それは、そもそもインターネットのある現代では誰も情報自体を記憶していないのであれば、どれだけ多くの情報に触れ、それを頭の中で整理した状態にできるか、また整理できない(表出していない)情報(経験など)をするかでしか人より抜きん出ることはできないということです。

その意味でチームラボ、猪子が言われていることというのは非常に的を得ているんだなぁー、と。(⇒こちらなど)

広く見つつ、深くへと動く、というのを実践していきたいと改めて思いました。

また、最近のLifeHackブームというのもこういった人々の自然な行動を反映したものなのではないかと思ったり。
EvernoteやDropboxが大成功していますが、まだまだ一般に浸透していないことを考えると、このマーケットの潜在的なポテンシャルはまだまだこんなものではないのかもしれませんねー。

最後に、Betsy Sparrow教授の本研究に関するインタビューを以下に。




【参考】
「Google」は人の記憶能力を低下させるか « WIRED.jp 世界最強の「テクノ」ジャーナリズム
"This suggests that for the things we can find online, we tend keep it online as far as memory is concerned - we keep it externally stored," Dr Sparrow said.
How Google Impacts Our Memory - Search Engine Watch (#SEW)

21 July, 2011

Silicon Valleyを読み解く企業関係図





Silicon Valleyの強みのひとつとして情報の緊密性・流動性というのがしばしば挙げられますが、Mashable!にそんなSilicon Valleyにおいて情報を運ぶ媒体としての人材がSilicon Valleyをどのように渡り歩いているのかが一目でわかるインフォグラフィック『The Interconnected World of Tech Companies [INFOGRAPHIC]』というのがあったのでご紹介。

今回のインフォグラフィックは分解すると、関係が分かりづらくなるので1枚絵のまま、最下段に掲載しています。

以下、いくつか興味深かったことなど。

■Sillicon Valleyにおける人材のハブとなっている企業:
PayPal, Microsoft, Apple, Googleといった企業は以前それらの企業で働いていた社員が起業し、他の会社によって買われるといったことがよく起こっています。まさにPayPal Mafia、Xooglersという感じ。
一方、FacebookやTwitterといった今、調子のよい企業からはあまり起業した成功例がまだない様子。さすがに、IPOが期待できる、成長企業からわざわざ抜けるほど、非論理的なケースはあまりないということでしょうか。(FacebookではPathとAsanaの2つ、Twitterからはなし。)
逆にいうと、上の4つの企業というのは、会社の勢いとしては(少なくともそれぞれの時点において)これ以上成長することはないと考えられたということですよねー。

■前職の経験を活かせる形で起業する

当たり前ですがPath(元Apple及びFacebookのDave Morinが起業)やGilt Groupe(元eBayのAlexis Maybankが起業)など前職と同じ分野で起業するケースが多いようです。

■不思議な因果

2005年にGoogleに買われ、いまやGoogleの戦略の中核となりつつあるAndoroidは元Apple社員のAndy Rubinによって設立された会社。手放さなければ今のスマートフォン市場というのは全く異なる世の中になっていたのではないでしょうか。


今後どのようにこの関係図が進展していくのか楽しみですねー。




【参考】
The Interconnected World of Tech Companies [INFOGRAPHIC]

20 July, 2011

2011年注目すべき20のトレンド





マーケティングやテクノロジー、広告に関する最新のトレンドニュースを発信している『TREND HUNTER』が『2011年注目すべきトレンド TOP20』という動画を掲載していたのでご紹介。

2011年から今後にかけての非常に楽しみな動きが出ているのですが、非常に興味深いものばかり。ちょっとよくわからないものもあったのですが、だいたいの内容を下にまとめました。(下のものからから順に。)
動画は最下段に添付しました。(英語字幕なし)

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20. 巨大プロジェクター広告



マーケターたちは今、スケールの大きく、コストが低く、さらにバイラルに広まるやり方として、この手法が注目している。
上にあるように、巨大ピンボール画面に写したパックマンの映像は事実、歩行者たちから大きな注目を集めることに成功した。


19. よりインタラクティブ性の高い小売販売



インタラクティブなショッピングバッグや、恐竜をモチーフとしたモール、iPadによるメニュー表示などは全て、いかに小売店舗が業界内の競争において差別化をしようとしているかを示す事例である。このような取り組みによってブランドは店舗内での購買体験をよりポジティブなものにし、ロイヤリティの高い顧客との関係を築こうとしている。


18. チャリティーとしての派手な行動



チャリティーは今、意識の向上や寄付を集めるために、よりグロテスクだったり、おかしかったり、過剰にエロかったりと様々なアクションをするようになっていっている。全て、チャリティーとして顧客への認知を得るための取り組みであり、その競争が激しくなっていることを示しているのかもしれない。


17. 身につけられるテクノロジー



電話搭載イヤリングなどに代表される身につけることができるテクノロジーは、いかにファッションとギークが統合されていくかを暗示しているかのようだ。このような技術によって、今や私たちは誰から着信があったのかをブレスレットで知ることができ、シャツからメールすることができるになってきている。


16. 時代に逆行するブランド



ディズニーによるドレスや子どもっぽい広告など、消費者は子供のときのノスタルジーを満たしたがっているように見える。ミッキーマウスの耳のようなアイコンによって、多くのブランドは人々の過去に語りかけることで利益につなげようとしている。


15. リアルなスタイル



Club MonacoやGQのような確立されたブランドたちは近年のリアル志向を踏襲している。さらに、消費者はよりストリート系のファッション・ブログに対してより価値を見出している。このような傾向はニッチで独特なファッションに関するファッションサイトやセレブとなったブロガーによって作られている。


14. リアル・タイミング



多くのビジネスがFoursquareやTwitterやライブ・ストリーミングなどを組み合わせ、顧客に満足感を提供しようとしている。ソーシャルメディアは顧客に即時的で直接的な選択を提供する手段となりつつある。


13. モダン・キュビズム



キューブ型ライトや建築、シートなどはクリーンなラインとすっきりとしたものに美意識を感じる人々にとってもっとも理想的なものである。そのシンプルな形はまたモダン・ミニマリズムとも合致し、インテリアデザインだけでなく、プロダクトデザイン、ブランディングなどにも影響を及ぼしている。


12. ネクスト・ベストを求めて



消費者たちはこの不確実な経済状況の中でも消費を行っている。2008年から私たちは多くの”ネクスト・ベスト”を見てきたが、このトレンドはファッションやテクノロジーなどの全ての産業において、これからも現れ続けるだろう。今のトレンドでは、高級でブランドネームのある商品がより低価格なものに置き換えられている。


11. 有形印刷



ボディ・アーマーや靴などに至るまで、3Dプリント技術のコスト低下によって小規模なビジネスがその技術を利用している。このトレンドは主流なものになり、消費者へと届けられることが予想される。

10. ハイパー・リアリズム



フォトショップなどによって実現している完全美に対して、アーティストたちは現実をよりリアルに切り取ろうとしている。このようなフォト・リアリスティックなアートはごまかし(雑誌表紙などに見られる偽造ともいえる写真)に異議を唱えている。


9. 幼児向けタッチスクリーン



インタラクティブな映画アプリ、お伽話などiPadなどに搭載されたタッチスクリーン技術を用い、ディベロッパーたちは新たなテクノロジーに子育てに用いたい次世代の親たちに向けた製品を多く開発している。


8. 民主的な購買行動



Tシャツ販売サイト『Threadlessのようなサービスはクラウドソース型ファッションサービスの先駆者だった。現在型のクラウドソースにおいては、消費者による投票はどの家具や名刺デザインなどを実現させるかといった力をもっており、その意味で消費者の声というのはこれまでにないほど大きなものになっている。


7. ロックな自己表現



ハードエッジなデザインのホテル、ロックスターのファッション、反抗的なプロダクトデザインなど、昔の言い回しよろしく、まさに”Rock’n’Rollは決して死なない”。様々な産業においてロックンロールの精神は大きな影響力を保っている。


6. 現代における子供向け広告



マーケターたちはお金のあるところを精力的狙ってきている。それはつまり、親である。エコフレンドリーな織物やミニマムな装飾などを使った子供たちのキャンペーンは親の興味・関心を強くひく。これからは大人向けのような子供用商品の時代である。


5. ラグジュアリーな製品



個人向けの部屋やビジネスクラスの寝室などをもった飛行機が出てきていることが証明するのは、マーケットは小さくなったが、ラグジュアリーを求める人々は依然として存在しているということである。金融危機によって多くのビジネスはその規模の縮小を余儀なくされたが、そのように以前と同じく存在するアッパー・クラスの顧客ニーズを満たすべく、リスクをとっている企業も少なからず存在しているのである。


4. 昔のファッションの見直し



刺繍品やクロッシェ、ビンテージの生地などは2つ上の世代(お祖母ちゃん世代)という見方から開放され、見直されている。先進的なファッショニスタたちはそのような上の世代のスタイルをよりモダンな形で取り入れ、そのような今日のファッションに反する新たなスタイルだと考えている。


3. 絶え間ない適応



バービーちゃんはレトロ調になり、飛行機は豪華になり、古い学校がリデザインされるなどそれぞれの産業で発展している美的感覚を満たすべく、様々な動きが起きている。そのような製品はそれぞれ主要な機能を失うことなく、それぞれに大きな進化を遂げていっている。


2. Twitter経済



ハッシュタグによって出力されたサイトやTwitterシューズとソーシャルネットワーキングストッキングまでTwitterの発展と合わせてそれを扱う周辺ビジネスも発展していっている。Twitterの成長が続く限り、Twitterを通じたキャリアの機会なども増えていくことだろう。


1. 分離された消費主義



それがStarbucksを模倣したコーヒーチェーンであろうとなんのラベルもないお店であろうと、消費者がビッグブランドから離れていることは明らかである。ブランドを気にしない消費者は厳しい経済状況の中、メガブランドを責め立て、小さく、そして新しいビジネスが反ブランド的な感情に訴えながらドアを開いている。



【参考】
Top 20 Trends in 2011 - 2011 Consumer Trends Forecast by Trend Hunter (THTV)




※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!