31 October, 2011

Instagram活用に見るソーシャルのトレンドを開拓している5つの先進的企業





ソーシャルメディアやIT、広告周りの先行事例等のリサーチが僕の主な職務なのですが、その際に最も参考になるのはやはり先んじて新しいことに取り組み、かつうまくやっている企業、事例を見ることです。

今回はそんなソーシャルメディアでの取り組みに積極的かつ成功しているいくつかの企業を、昨年から爆発的な成長を遂げているInstagramを先進的に活用している企業の中から紹介してみたいと思います。

1. Starbucks

Starbucksについてはもはや説明不要なレベル。以前の記事、『共創(Co-Creation)プラットフォームがいよいよ日本にも』でも紹介したCo Creationプラットフォーム、『My Starbucks Idea』やFoursquareのメイヤーに対する割引プログラム、Facebook内の友人のスターバックスカードにクレジットを送ることができる『Give a Gift』などソーシャルメディアを活用した様々な取り組みを矢継ぎ早に展開しています。




2. Threadless

ThreadlessはTシャツのオンライン販売を行っているサービス。世界中のデザイナーがデザインしたTシャツのうち、どのTシャツが実際に生産されるかはユーザーの投票によって決まるため、若く流行に敏感なユーザーへの接触を図るべく、積極的にソーシャルメディアを活用しています。



詳しくは以下など
「あのデザイナーは私が育てた!」って言えちゃうかも?あなたが選んだTシャツが商品になるECサイト”Threadless” | greenz.jp グリーンズ


3. Jamie Oliver

Jamie OliverはイギリスのカリスマシェフJamie Oliver自身のブランド。現在の食環境に変革を起こそうとしているJamie Oliverはそのような動きを加速させるべく、ソーシャルメディアを上手く活用していることでも知られており、 オンライン戦略のヘッドであるMonisha Saldanhaは、ソーシャルメディアをどのように活かしていくかを議論し合う話であるSocial Media Leadership Forumでも講演を行なっています。

Jamie Oliverの活動に関する詳しい情報は以下など
世界級ライフスタイルのつくり方 - Jamie Oliverの食の革命




4. Red Bull

Red BullはFacebookに最も多くのファンを抱えるブランドの一つ(現在2200万人以上)。Red Bullのそのような成功の大部分はウォールにおけるファンとのコミュニケーションによるところが大きく、Red Bullがどのようにコミュニケーションを行なっているか、またどのようなコンテンツを用意しているか、は大いに参考にするべきところ。




5. Levi's

Levi'sはHPの個別商品のページ内にFacebookの「Like」ボタンを設置し、HPのソーシャル化という取り組みの先鞭をつけた企業でもあります。Instagramの利用はブラジルで先んじて行われており、ヘッドクオーターの縛りがキツいということもないのかも。



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もちろん、上記にあげたような企業がソーシャルメディアに積極的に取り組み、かつ成功しているのは、ある程度の知名度があり、しかもソーシャルメディアにおけるコミュニケーションが可能なコンテンツが恒常的に存在しているというところが大きいです。

しかし、どのようにすればそのフレームに載せていけるかを考えることは最も説得力のあり、かつ実行しやすい施策を考える上でのヒントとなるのではないかと思います。


【参考】
Food Fight: Social Media Fuels Jamie Oliver’s Food Revolution - SocialTimes.com
Head of Online for Jamie Oliver Ltd, Monisha Saldanha
米Levi'sのサイトに見るソーシャルショッピングの近未来【湯川】 : TechWave

Image courtesy of Flickr, andercismo

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27 October, 2011

ad:tech Tokyoで学んだソーシャルCRMに関する5つのこと





昨日、世界最大級のデジタルマーケティングに関するカンファレンス、ad:tech Tokyoに参加して来ました。

カンファレンスやイベント、ブース展示などが本格化するのは本日からですが、昨日はそれに先立ちソーシャルCRM(顧客管理:Customer Relationship Management)というソーシャルメディア時代における企業と顧客の関係性に関するイベントが行われていました。

今回は、その中のメインセッション、『Business Landscape of Social CRM: Consumer Experience Bring into New Innovation, Orgnization Improvement and Brand Value』から勉強になった点をメモ。
ソーシャルメディア管理ツール、CoTweetのCEOであるJesse Engle氏の他、ANA、ネスレ、ドコモの担当者の方々が登壇されていました。

特に勉強になったのは、やはりJesse Engle氏のお話。
ソーシャルメディアを使ったCRMのあり方について5つのポイントを挙げていました。

1. its all about relationship



ソーシャルメディアを使ったCRMの目指すべきところは関係性の構築である。

McDonaldは、以下のようなハッピーセットのおもちゃが望んだものではなかった子供の悲しい体験に関するTwitter上の投稿にすぐさま反応し、彼の希望するおもちゃを送ることでMcDonaldでの体験を素晴らしいものにしました。






2. speed wins



アフガニスタンから帰還した米兵7人はバルティモアからアトランタ、ルイジアナへの移動の中で預けていた4つの荷物に対し、超過チャージを請求されたことにショックを受け、それに抗議するYoutube動画を投稿。
その動画はあっという間にバイラルとなり、ソーシャルメディアを通じて広まっていきました。

http://www.youtube.com/watch?v=sX8luPQZ2I0&feature=related(埋め込みができない設定となっているため、興味ありましたらリンクからご覧ください。)

デルタ航空はそれに対し24時間以内に反応し、最終的に荷物の預入の方針は変更されました。
そのような迅速な行動によって、デルタ航空は悪評が広がるのを防ぎました。




3. team work



ソーシャルメディアの利用を開始するにあたっては、会社全体として取り組むことが重要になります。

アウトドア商品を扱うREIはソーシャルメディアの利用を開始するにあたり、部署を超えたコラボレートチームを組成しました。
チームは62にも及び、総勢348人を動員する体制となっています。


4. Flexibility is a key



Citi Bankはソーシャルメディアからの意思決定に対し、ソーシャルメディア専門の部署を設けるだけでなく、彼らに大きな裁量を与え、ソーシャルメディア上の声に素早く適応できる組織構造を作っています。(話の中ではスキップされたため、その後の話しなどから当てはめています。)


5. connect the dots



NASAは定期的にNASAのフォロワーから25人をNASAの施設見学や飛行士や科学者、エンジニアと話すことができる”Tweetup”に招待しています。
そのような取り組みによって、NASAはソーシャルメディアにおける会話に入り、繋がりを作っています。

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ad:tech 非常に勉強になりました。残念ながら今日からのカンファレンス等には出席できそうにないのですが、また来年是非行きたいです!:)


【参考】
Hey, McDonald’s: I’m lovin’ it | all.things.fadra
Inside social media at Delta Air Lines -- a behind the scenes look | Tnooz

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26 October, 2011

アジア発のトップアプリを選ぶ、"Asia's Top 50 Apps"を眺めてみた





アジアのwebの動向を伝えるe27が開催していた"アジア発のトップアプリ50(Asia's Top 50 Apps)"というコンペティションの結果が出ていたので、どんなアプリが受賞していたのかちょっと見てみました。テクノロジーブームが起こる中、シリコンバレーが注目されていますが、TechWaveさんの「TechWave塾」でも8期はアジアをテーマに掲げていたり(→『熱いぜ!アジア TechWave塾第8期受講生募集開始【湯川】 : TechWave』)と非常に将来性のあるマーケット。

そんなアジアから生まれたアプリのうち、面白いものを見つけようという試みが"Asia's Top 50 Apps"。
正直、TechCrunchやVentureBeat、Mashableなどで紹介されているアメリカ発のアプリと遜色ないアイデアをもったものばかりでした。

それでは以下、各部門を受賞したアプリをご紹介。

▼”Most Valuable App” - Lobangclub



Lobangclubはシンガポール発のアプリ。欲しい商品のバーコードをスキャンすることでその商品がその他、どこのお店で売られているのかのリストを見ることができ、価格を比較することができます。




▼”Rookie of the Year” - Moglue



MoglueはiOS、Android向けのインタラクティブな電子書籍の製作を誰でも(プログラミングの知識がなくとも)できるように可能にするアプリケーション。(ちなみに韓国発!)
こういう誰でも表現者、発信者になれるアプリというのは個人的にも大好きな分野。トライしてみたい。




▼”Design of the Year” - Pocket OneMap



素晴らしいデザインとともに、番地つきの素晴らしい地図を提供してくれるのがこのPocket One Map。企業ではなく、IT学校で開発されたアプリです。




▼”Solution of the Year” - GreenPost



GreenPostは、様々な請求書を単一IDで閲覧可能にするアプリ。いたるところに溢れる紙の請求書を代替するだけでなく、テクノロジーの強みを生かし、いつでも確認できるように。"Save time, save trees and save the Earth. With GreenPost!"というキャッチフレーズも素敵。




▼”People’s Choice Awards” - JN Photo



JNPhotoはシンガポールに拠点を置く写真家、Justin Ngがつくったアプリ。彼が撮影している写真のアルバムへのリアルタイムなアクセスや写真関係の求人、仕事案内など、彼のファンだけでなく、写真に興味がある人々にとって非常に面白いアプリになっています。



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その他、Top 50に入ったアプリはこちらに↓
2011 Asia’s Top 50 App | Asia's Top 50 Apps: Discovering Apps for Asia

ちなみに、日本からはOpen Network Labに参加していたCompath.meが選ばれていましたが、それだけに留まっていました。
来年はもっと増えることを期待したいところ!


【参考】
Lessons learnt from Asia’s Top 50 Apps | e27

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25 October, 2011

アメリカのNPOはどのようにソーシャルメディアを活用しているのか





PR Daily Newsに「アメリカで最も大きな50のNPOがどのようにソーシャルメディアを使っているのか」をまとめたインフォグラフィックが掲載されていました。

作者は、あのアメリカ最大のクラシファイドサービス、Craig's listのCraig Newmark。
先日も、『なぜ"Infographic"は重要なのか:Don't be lame』という記事でインフォグラフィックへの注目度が高まっているという話を紹介しましたが、起業家さんの間でも注目をされているとは。

ちなみに、「最も大きな」は「最も収益を上げている」という形で定義されています。

日本でもNPOの効果的なソーシャルメディア活用という文脈では、@SocialCompanyさんや@IHayatoさんなどが活発に活動されていますが、ベンチマークの対象としてのアメリカはどの程度進んでいるのかを理解する上で非常に参考になる資料だと思います。

以下内容まとめ。

▼ホームページにおけるソーシャルメディア連携



・92%はひとつ以上のソーシャルメディアと連携を図っている
・92%はFacebookのボタン(いいね!、シェアなど)を、90%はTwitterへの投稿ボタンをつけている。その他、Youtube、Flickr、RSS、LinkedInなども。


▼ソーシャルメディア上での人気と収益との相関




多くの収益を得ているNPOがソーシャルメディア上でも多くのファンベースを構築しているわけでは必ずしもありません。取り組みへの姿勢がその成果にも大きく現れています。
米国赤十字はFacebook、Twitterの両方をうまく活用できていますが、しかしアメリカにおけるNPOにおいて2番目に大きな予算を持つCatholic Charitiesは活用できているとは到底言いがたいレベルになっています。

また、Facebookが人口の約6割をカバーしているのに対し、Twitterの利用はあまり進んでいないため、Facebookは活用できているけど、Twitterはうまく使えていないという現象もみられます。日本とは、真逆で面白い対比。


▼NPOのTwitter利用



PBS(Public Broadcasting Service)や米国赤十字、スミソニアンなどは50万人を超えるフォロワーを獲得しています。また、Twitter上における認知度を高めるための施策の一つといえるフォローにおいては、3万人以上をフォローしているNPOも存在するようです。
2ヶ月間でのツイート数では、フォロワーも多いPBSなどは1日10件を超えるペースで投稿している模様。
それだけのコンテンツをどのように作っているのか気になりますね。

Twitter利用の利用開始時期においては、米国赤十字、UNICEFなどは2007年から運用を開始しており、早期の取り組みによって多くのフォロワーを獲得しているともいえそう。




▼NPOのFacebook利用



FacebookにおいてもPBSは100万人近いファンを獲得しており、かなり活発なコミュニティとなっています。(Most Commented on Facebook参照)
ただこちらにおいては、多い団体でも1日2-3程度のポスト数となっており、Twitterと比べるとやはりコンテンツを選別している様子です。

元のインフォグラフィックには、調査対象となった50のNPOのリストも掲載されていますので、興味のある方は是非チェックされるといいのではないかと思います。
日本も早くキャッチアップしていくことを期待!


【参考】
Infographic: How the top 50 nonprofits do social media | Articles

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24 October, 2011

「こんなところで働きたい!」と思った世界各国のおしゃれオフィス





Inc.comに"The World's Coolest Office"というとっても素敵な特集があったので、その中から個人的に「こんなところで働いてみたいなー。」と思ったオフィスをピックアップしてご紹介。

▼天神山のアトリエ(日本・群馬)
群馬にある、「天神山のアトリエ」は光を大きく取り入れた開放的なスペース。快晴の日とか特に気持ちよさそう!




動画も発見しました。



▼The Hub Madrid(スペイン・マドリッド)
以前、『Hubを東京に持ってきたい!』でも紹介した社会起業家向けコワーキングスペース、The Hubのマドリッドブランチ。かつては鉄道の駅だったスペースを改築し、決して無駄なお金をかけることなくリノベーションされたとのこと。もうすぐできるThe Hub Tokyoにも期待!→『Like a Silicon Valley: グローバルに繋がるCo-working Space" THE HUB"を日本に





▼Living Social (アメリカ・ワシントン)
Grouponの最大の競合である、Living Socialのワシントンにある本社オフィスはその企業イメージと同じく、とてもエネルギーに溢れる感じのオフィス。白基調のデスクスペースやレトロなゲームが置いてある休憩スペースなど機能毎に異なるカラーになっていますねー。






▼Comvert(イタリア・ミラノ)
スケートボードやスノーボード向けの商品を展開する、Comvertのオフィスがこちら。元々は劇場であったものを、オフィスにリノベーションしており、スケートボード用のスペースも!





▼Think Garden (イタリア・ミラン)
Think Gardenは"creative business lounge" というコンセプトを掲げるコワーキングスペース。リラックスし、クリエイティビティーを発揮できる環境作りにこだわり、自然がいたるところに取り入れられています。





▼HOK London (イギリス・ロンドン)
グローバルに展開するアーキテクチャーファーム、HOKのロンドンブランチのオフィスは自然を大胆に取り入れたもの。なんとオフィスの中に芝生のスペースがあります。





▼Tribal DDB(オランダ・アムステルダム)
"Less is more"の精神に則り、ミニマルなデザインのオフィスになっているのがTribal DDBのオフィス。薄い灰色に壁やライトまで全て統一され、集中しやすい環境が整えられています。(しかも、音を吸収してくれる素材なのだとか。)





▼No Pictinc (スウェーデン・ストックホルム)
スウェーデンに拠点を置くデザインコンサルティングファーム、No Picnicのオフィスは19世紀に建築された2つの建物を本社にしています。とても開放的でクリーンなイメージ。





▼Getty Image(イギリス・ロンドン)
写真素材の提供を行なっている、Getty Imageのオフィスはそのアイデンティティーと強みを生かし、写真を様々なところに広く取り入れています。いたるところでインスピレーションが得られそうなオフィスですねー。



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Inc.comの特集ページには、Facebookを通じたいいね!投票もできるようになっているので是非いろいろ見てみると面白いと思います。それぞれのオフィスについての詳細な紹介ページもあり。→『World's Coolest Offices | Inc.com
こういうオフィスがどんどん増えていってもらいところですね:)


【参考】
The World's Coolest Office | Inc.com
World's Coolest Offices: Best Use of Nature | Inc.com
Creative Use of Materials | World's Coolest Offices | Inc.com
World's Coolest Offices: Best Small Offices | Inc.com
Building Blocks: Using Products as Architectural Details | World's Coolest Offices | Inc.com

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