24 March, 2011

Hubを東京に持ってきたい!

引き続きESIのレポートです。

先日は、オープンなコラボレーションを促進する社会的事業”The Hub”を訪問しました。



ここでは、起業家やデザイナー、アーティストなどが使用可能なスペースやリソースを提供することによって、新たなパートナーシップやメンターシップ、インスピレーションを生み出し、社会にインパクトをもたらすことを目指しています。

年間での利用者は述べ8300人を数える "The Hub"ですが、ワークスペースの提供については、30時間でいくら、100時間でいくらというような定額制になっており、今回訪れたベイ・エリアの”The Hub”においては年間300回ものイベントも開催したそうです。さらに、"Hub Ventures"というようなインキュベーションプログラムなども行っているとか。

僕が特に気に入ったのが、起業家とアーティストを結びつけるべく、アート展示スペースを作っていたり、決してのお金もうけを目的としていない人々をコミュニティ内にいれていること。



以下、撮った写真をいくつか。





もうとにかくおしゃれでイノベーティブで個人的にはたまらない"The Hub"ですが、現在までのところ世界12都市世界12都市にしかないとのこと。(起源はロンドン。)なんとか日本に、東京に持ってきたいと思ったので、まずはFacebookグループを作りました。

Hubを東京に作りたい!
http://www.facebook.com/home.php?sk=group_144592552275254&ap=1

日本ではどのような形でサービスが提供されうるかはわからないですが、興味のある人をつなげ、モタメンタムへと繋げていければと思っているので是非みなさまよろしくお願いします!!:)
また、東京で同じようなサービスを行っているところがあれば是非教えていただきたいです!
是非よろしくお願いします!:)

最後に、"The Hub"について書かれたその他の記事を紹介。

オープンコラボレーションオフィス「The HUB」
http://bit.ly/f0E9cW

21 March, 2011

Quoraは一般の人のためのものではない


Social Media Todayの先日の記事「Quora Is Not for Normal People」が非常に興味深かったので、拙訳。

本記事に出てくるQuoraとは、FacebookのCTOであったアダム・ディアンジェロがローンチしたQ&Aサービスで、非常に注目を浴びている存在です。僕自身、使う中で多くのよい回答を発見することができており、素晴らしいサービスだと思っています。

ちょうどESI'11のコーディネーターのひとりがQuoraで働いていたりしてとてもタイムリーだったのでこのタイミングでの投稿公開になりました!

Quoraについて詳しくは以下など。
Facebookの元CTOが始める「Quora」と、そのプログラミングテスト | リアルタイムウェブ.jp
情報収集はGoogleでもTwitterでもなくてQuoraの時代  | 世界を変えるスタートアップ | 現代ビジネス [講談社]

そして、当該記事は以下のような論旨となっています。

最初、Quoraは私にとってとてもうれしいサービスでした。

「ソーシャル・ネットワーク」のどの部分が真実なのかを知りたければ、Facebookの共同創業者、 Dustin Moskovitzが教えてくれますし、Mashbleでうまくピッチする方法を知りたければその責任者、Ben Parrがいます。さらに、Amazonがアンドロイド向けのeReaderをリリースするのかを知りたければ、Amazonで働いている人が教えてくれました。(yesと。)

こんなに素晴らしいことはない、でしょ?

でも、Quoraはインサイダーのための場所に過ぎないのです。あなたがもし、上に挙げられたような著名な人であればあなたの回答は高い評価を得ることができ、多くの人の目に触れることになります。そして、もし彼らが好まないような質問があれば編集を加えたり、完全に消してしまうことさえできます。

あなたの質問や回答は低い評価を受け、サイトから消されたりしうるのです。あなたの言い回しや表現が気に入らないだけだとしても。

したがって、Quoraはあなたが真実で誠実なフィードバックが得られるオープンな場とは言えません。Quoraは質問を編集したり、あなたの回答への評価を下げ人目から外したり、消してしまうことができる人々によって成り立っているのです。


この指摘のように、Quoraはインターネットを語る際によく言われるような”オープンで自由な”ものではありません。(「政治とネットの関係 ~そのこれからの可能性~ - ネットの未来記」)

現在隆盛しているソーシャルウェブというのは、現実社会の関係を反映せざるを得ないため、インターネットを語る際のかつての文脈上にはないのかもしれません。

Quoraがそこかしこで賞賛される中でなかなか鋭い指摘だと思ったので紹介まででした。

その他、Quoraを否定的に見ている記事は以下。
【Infostand海外ITトピックス】 ソーシャルQ&Aの「Quora」は本当にスゴイのか? Scoble氏の批判で議論に -クラウド Watch
私がQuoraブームを信じない理由

世界を変えるために必要な3つのこと

引き続き、ESIのプログラムレポートです。

本日は、Social Entrepreneurship in the Bay Aというプログラムに参加しているStanfordの学生とともに社会変革のための方法論を学ぶワークショップに参加しました。

スピーカーはTransformative Actionの普及に務めているScott Sharman氏。

ワークショップは、「世界を変える方法論」、「クリエイティビティを高める方法」、「幸運をつかむために必要なこと」の3部構成で5時間に渡るものだったのですが(めちゃめちゃ面白かった!)、本記事では第一部、「世界を変える方法論」の内容をアウトプットしておきたいと思います。

社会変革のために必要なものは下図の3つ。


1. 不正を暴く

ミルグラム実験で明らかになっているように、私たちは権威に従ってしまうことが多いものです。しかし、権威がいつも正しいということは当然のことながらなく、もし間違ったことを行っているのであればそれを正すべく主張するべきであり、それによって問題があきらかになり、他者を惹きつけることにつながるのです。

2. 合気道を社会のために活用する

競争は基本的にゼロサム・ゲームであり、勝ったとしても取り分は限られることになります。合気道のように相手の力を利用することでより多くのものを得ることができるはずであり、競争に勝つことではなく、双方が共有できるビジョンを作ることに時間を使うべきです。

3. 建設的な解決策を提案する

2.にも関連しますが、その達成のために必要なものは関係者全員とwin-winでつながることができるイノベーティブな解決策を作る必要があります。ひとつの方法としては全員が同意できる点を始点にする(same boat)、という方法があります。(そのためにはクリエイティビティが重要、というところから第2部「クリエイティビティを高める方法」に繋がっていきました。)

Scott Sharman氏の授業をYoutubeで発見したので最後に貼りつけ。
興味がありましたら是非、観てみてください。非常にEnergeticで面白い方でした。

20 March, 2011

ソーシャルメディアを活用し、コーズ・マーケティングを行ううえで重要なこと

ESIのプログラム・レポート。

昨日の授業は一日、ソーシャルメディアに対する理解を深めるプログラムでした。

そんな中でコーズ・マーケティングとソーシャルメディア上でコーズ・マーケティングキャンペーンを行う際のフレームワークを教えてもらったのでメモ。

そのフレームワークとは、「The Dragonfly Effect: Quick, Effective, and Powerful Ways To Use Social Media to Drive Social Change」内で紹介されていた"Focus, Grab Attention, Engage, Take Action"というもの。

上述の本の中で紹介されていた成功事例には、サミール・バーティアさんのという31歳で白血病の診断を受けたシリコンバレーの起業家が、ソーシャルメディアを駆使し、骨髄提供登録を呼びかけるキャンペーンを展開、11週間後には約25,000人の人たちを全米骨髄バンク(National Bone Marrow Registery)に登録させることに成功し、またサミールと適合する骨髄提供者も探し出したというものがありました。

さて、そのフレームワークは以下の4つから構成されています。


1. Focus

”大きく考える”のではなく、リソースを集中させるためにもひとつのゴールに集中する。(本書の中では、”ゴールを決める”、”サブ・ゴールに細分化する”、”成功の評価基準を決める”、”ガイドラインとなりうるアクション・プランを策定する”などさらに細分化されている模様。)

2. Grab Attention
やりたいことが決まった後には人々の注意を引く必要がある。鍵となるもの:オリジナルであること、シンプルであること、全体感があること、ビジュアルが浮かぶこと。

3. Engage

人々に行動してもらうためには、人々を心情的に魅了する必要がある。そのためには、何が人々を惹きつけるのかを理解しなければならない。ストーリーと個人の関与が必須。ストーリーをFacebookやTwitterなど様々なメディアを通じて伝え、オンラインからオフラインの行動へと人々を導かなければならない。


4. Take Action

達成したいことが定まり、人々を惹きつけた後には、人々にボランティアや寄付などをお願いすることができる。このプロセスは早期に行う必要がある。なぜならポジティブなフィードバックを即時に提供することで人々はさらにコーズに関与できるからである。

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コーズ・マーケティングに関わる際には是非積極的に活用していきたいところ。


本書については以下のレビューも有益かと思います。

「The Dragonfly Effect」は"一読の価値あり"です - ソーシャルメディア活用に関する刺激的で実用的な「教科書」 |AMN近況報告|ブログ|Agile Media Network

POLAR BEAR BLOG: 【書評】The Dragonfly Effect

Exploring Social Innovation at Stanford University 2011について

3/17よりStanford Universityで行われるプログラム、Exploring Social Innovation(ESI)に参加しています。

詳しくはExploring Social Innovation (ESI) Program Overviewを見てもらえればと思うのですが、サンフランシスコ・ベイエリアやシリコンバレーの企業や非営利団体、社会起業家を訪問するという企業訪問的な要素と、いくつかのテーマ(教育、貧困、環境など)について日本において実行可能なプランを作り、Stanfordの先生方の前でプレゼンテーションを行うというビジコン(?)的な要素を組み合わせた2週間のプログラムです。

今年度のプログラムでは、TwitterTeach For AmericaKiva.Stanford Institute of Design(通称d.school)
などを訪問する予定です。



日本国内は地震で大変な状況にありますが、今自分にできること、やれることを精一杯やっていくべきであり、そのためにもブログにおけるアウトプットを通じてこのプログラムでの学びを深めていきたいと思っています。

15 March, 2011

クラウドファンディングについて調べてみた。

クラウドファンディングという概念をご存知でしょうか。
ここ数年で一気に広まった概念ですが、ちょっと関わることになりそうなのでいろいろ調べてみました。

クラウドファンディング(Crowd Funding)とは、wikipediaによると

the collective cooperation, attention and trust by people who network and pool their money and other resources together, usually via the Internet, to support efforts initiated by other people or organizations


とされており、意訳すると、個人や組織の活動を支援するべく、それに賛同する人々が資金を集め、提供する集団的な協力のこと、といったところでしょうか。

インターネットの発展によって可能になったこのような概念は、、オバマ大統領が大統領選で「My.BarackObama.com」を通じて市民の少額の寄付をスケールさせ、政治資金とした事例などから広く知れ渡ることになり、アメリカでは既に200以上のサービスがあるようです。

そのようなサービスの代表格「Kickstarter」では、「腕時計型ipod nano」が総額94万ドルを集めました。(詳細はこちらで→共有時代の「お金」の巡り方 13,500人の個人から94万ドルを集めた「iPod nano腕時計」

TikTok+LunaTik MultiTouch Watch Kits for iPod Nano from Scott Wilson on Vimeo.



また、取材をしてもらいたいジャーナリストの取り組みに資金を提供するプラットフォーム、「Spot.Us」は、ジャーナリズムのこれからを占うサービスとして、小林弘人も注目されていました。(オープンソース・ジャーナリズムとクラウド・ファンディングによる「社会の木鐸2.0」



日本においても、Techcrunch Japanの記事、「[jp] 日本の「ソーシャル資金調達」レース開始ーーGrow!、READY FOR?、CAMPFIREの3社がデモ」によると「2011年は"パトロン"がキーワード」らしいので、多くのサービスがローンチされることが予想されます。

海外では、既に激しい競争が起こっているだけにcrowd fundを行う対象によって住み分けが起こっているように思います。kickstarterはクリエイター、spot.usはジャーナリスト、MyFootballClubはローカルなサッカーチーム、33needs は起業家・社会起業家という形。

日本でサービスを開始しそう、あるいはしている、
READYFOR?CAMPFIREYouStart!などにもそのような違いがあるのでしょうか、またクリエイター層以外をターゲットにしたサービスは他にもあるのでしょうか。

もしご存知の方いらっしゃいましたら情報いただけるとうれしいです!
よろしくお願いします!

12 March, 2011

グループチャットの波がいよいよ日本にも来る?

Facebookの次のトレンドといわれるサービスが日本にも来つつあるのかもしれない、というレポート。

先日、はてブの人気エントリーにchrl-ohyaさんの「Facebookが買収しただけある!Belugaはメールの未来形。 - ちゃーりーより強いやつに会いに行く」という記事が入っており、Belugaというグループチャットサービスが紹介されていました。

僕がその記事を読んだのは、その直前に@shoshirasakaさんにお会いした際に同じくBelugaをオススメされ、ちょうど登録していたタイミングでした。

ハヤトさんも(@IHayato)以前、「今ホットなウェブサービスの3領域―写真共有、グループチャット、Q&A « ソーシャルウェブが拓く未来」で触れられていましたが、グループチャットは海外では既に相当アツい分野だったりします。
Mashableでは「Group-Texting War Heats Up」というタイトルでいくつかの記事が執筆され、NYTimesでも特集されました。→「GroupMe and Rivals Offer Group Texting for Smartphones - NYTimes.com

なぜ日本にもこれから来るのではないかというと、chrl-ohyaさんがメールの未来形と書かれているように、チャットという性質上、友人がいなければ成立しないので便益が認識されればユーザーが一気に増えること、またグループで使うこともできるため、個人ベースだけでなくコミュニティベースに働きかけることができるため。

事実、この分野の代表的なプレーヤーのひとつである「GroupMe」はわずか4ヶ月で10倍の成長を達成し、1ヶ月前の数値では1日100万のメールが送信されている、とのこと。→「GroupMe Is Now Sending One Million Texts Every Day


ちなみに、グループチャットの主要プレイヤーは以下。(海外のみ。日本のものをご存知の方いらっしゃいましたら是非教えてください!)



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