01 August, 2011
マーケティングにおけるゲーミフィケーションのあり方
『ゲーミフィケーション』という言葉が最近、注目を浴びています。
ここ数日でそれに関する日本語の記事もかなり増えてきていますが、それ以上に英語記事も激増している印象。
今回は、そんなゲーミフィケーションのマーケティングへの活用に関して方法について、
Mashable!によい記事があったので、自分の勉強も兼ねてご紹介。
■ゲーミフィケーションの対象
ゲーミフィケーションについて考える際には、PS3などで遊ぶといった従来的なゲーマーという定義から離れることが重要です。
Forresterのリサーチでは、Xboxで遊ぶユーザーの65%は男性ですが、ソーシャルゲームにおいては、59%は女性であり、携帯ゲームをその中間に位置しており、誰もがゲーミフィケーションの対象となり得るのです。
(ちなみに、ソーシャルゲームユーザーの23%は45-65歳の女性であったりもします。)
■ゲーミフィケーションとは、なぜ注目を集めているのか
当然ですが、マーケターとして重要なのはゲームで楽しむことではなく、ブランド構築やROIといった数値を達成することです。
そういった目標を達成する上でゲーミフィケーションはどのように役立つのか。
まず、アタマに置いておくべきことは、ゲーミフィケーションとは、ゲームではない体験にゲームの概念を応用することであり、
ゲーミフィケーションとゲームは異なるということです。
その概念は以下のようにまとめられます。
・ゲーム:楽しむために行われる構造的な遊びである。
・ゲームプレイ:ゲーム内におけるインタラクションである。
・ゲームメカニズム:ゲーム内でゲームプレイを促進する構造や戦略。バッジやポイント、レベル、チャレンジなど。
・ゲームダイナミクス:心理的なモチベーションに基づいたゲーム設計における戦略。何かを獲得するために行動させる”Appointment”や罰を受けるのを避けるための行動、”Avoidance”、行動によって何かが得られたと感じさせる”Free Lunch”などがある。
・通貨:オンライン上でのモチベーションのあり方に伴って人々にインセンティブを与える手法。金銭的見返りや社会貢献、コミュニティに対する貢献、認知欲求、歓喜など。
望ましい行動を促すために、このような通貨が利用される。
■なぜゲーミフィケーションは機能するのか
一語でいうならば、そのに進歩(Progress)があることだ。
2010年、『Harvard Business Review』に「何が仕事において人をモチベートするのか」という研究がレポートされていた。
何百という被験者に、何が彼らの日々の森ベーションとなっているのかを特定するべく日記を書いてもらった。
そして、それは圧倒的に、進歩している感覚だった。
ゲームメカニズムは、極端に言えば数値の計り、理解するための一式のツールである。
そして、レベルアップまであと5ポイント、あと2回チェックインをすればバッジを獲得できる、あと9人が購入すればディール成立などその数字は進歩を明らかにする。
通貨はリーダーとしての認知、コーズへの寄付、クーポンなどそれらに対する報酬であり、それらもまた全体としての進歩を意味する。
『Forbes』の記事によると、歴史上最も急成長した企業であるGrouponは、まさにゲームメカニズム(Grouponでは進歩はどれだけの人が購入し、ディールを成立させるためにはどれだけの人が必要かがわかる)、ゲームダイナミクス(他者との協調によってよいディールを獲得できる)、通貨(ディール自体)をうまく適用した最たる例である。
■企業がどのように顧客体験をゲーミフィケーションしているか
1. スターバックス
スターバックスは、Foursquareにおいて複数回チェックインしたユーザーにバリスタバッジを提供し、
様々な特典を提供しており、メイヤーの場合には、1ドルの割引が受けられる。
2. Nike
NikeはAppleと組み、エクササイズ管理をゲーミフィケーション。
『Nike+』において、ユーザーは走った距離を保存したり、目標を設定したり、友人と比較したりできる。
また、『男性 vs. 女性』のどちらが年間で多く走っているかのような誰もが参加できるようなチャレンジも用意されている。
3. Ribbon Hero
Microsoftはソフトウェアのトレーニングをゲーム形式で受けることができる『Ribbon Hero』を立ち上げ。
Office 2007や2010のエクステンションをダウンロードでき、それらについて学ぶ過程にゲーミフィケーションが応用されている。
4. Cause World
アメリカの小売店、Kraftはスマートフォンアプリ『CauseWorld』をスポンサーし、実質的な便益とブランディングを両立。
『CauseWorld』はお店へのチェックインや商品をスキャンすることで”Karma”と呼ばれるポイントを獲得することができ、
そのポイントを関心のある社会問題に寄付へと変換することができる。
『CauseWorld』は、チームプレイやポイント、達成感といったゲームメカニズムを活用しており、
また寄付や携帯クーポンといった通貨の概念も適用している。
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個人的には、ゲーミフィケーションという手法自体は以前から存在していたと思うのですが、ソーシャルゲームのようなオンライン上でのゲームがより一般化し、それがFacebookのような既存プラットフォームを活用するものであったため、一般企業から広く意識されるようになったのかなぁーと認識していたりします。
ゲーミフィケーションがどのような効果をもたらすのか、今後も引き続きウォッチしていきたいと思います:)
【参考】
『HOW TO: Gamify Your Marketing』
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※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!