02 August, 2011

"Social"というものを考える際、抑えておくべき最初のステップ





先日、学生向けマーケティングコンテスト、"applim+"のキックオフに行って感じたことから。(今回の想定読者はその参加者のみなさんですが、『ソーシャル〜』に囲まれてる自分自身もそこに立ち返ってみていろいろと頭が整理されました。)

SNSアプリかスマートフォンアプリを考えるのが今回のapplim+の課題なため、メンタリングさせてもらうチームのメンバーもアプリのアイデアが最も重要だと認識しているのだけれど(きっとどこのチームも同じだと思われる)、説得力のあるアイデアは決して突発的に生まれるのではなく、その背景や筋道を明確にしてこそできるものではないかと思っています。

配布されていた資料の中で提示されたフレームワークはまさにそれを満たすものなのですが、課題や現状を把握するためのものに限られていました。ただ、ソーシャルをどう使うかというそこからの解決策、アイデアを考える上でもある程度フレームに沿うことって大事だし、そういったフレームワークも結構存在します。(アイデアジャンプももちろん重要だけれど、そっちのロジックをしっかり抑えている場合、そこに説得力が増すはずです。)

また肌感覚では理解している『ソーシャル』とか『ソーシャルメディア』といった概念をもう少し広い視野から見れるといいんではないかとも思ったりしました。

ということで、applim+に参加される学生は、『グランズウェル』という本をまずは絶対抑えておくべきと思います。

米リサーチ会社、ForresterがHarvard Business School Pressから出版したこの本は、大学のメディア系の授業だけでなく(僕が初めてこの本を読んだのは留学先でのメディア系授業でした)、実務の場でも使われています。(今も使っています。)

具体的には、検索webの時代から一歩進み、人と人とが繋がるソーシャルwebの時代においては、自分に必要な情報は企業からではな、別の個人から調達するようになっているという社会動向(=『グランズウェル(大きなうねり)』)を解説し、それをどう理解し、企業が活用するべきなのかを解説しています。

特に企業やマーケターの立場で使えるのは、『グランズウェル』内で紹介されているグランズウェル活用の戦略7つの類型です。
ざっくり以下のようなもの。

■傾聴戦略:ブログ、SNS、Twitterといったソーシャルメディアでの会話に耳を傾け、商品開発やサービスの向上に活かす。
■会話戦略:ユーザー同士の会話に参加したり、メッセージを広げたりすることで、関係性の構築・強化を行う。
■活性化戦略:熱心なユーザーを支援し、ポジティブな雰囲気を作る。
■支援戦略:ユーザー同士が助け合えるような環境を提供したり、オンラインの強みを生かしたサポートを提供する。
■統合戦略:上記を組み合わせる。

もちろん、それぞれの戦略がその効果を発揮するためには、ある程度条件が揃っている必要があります。
ただ、目的とそれに至る筋道が決まってさぁどうしようかという際に、こういったフレームワークを使って選択肢を整理することで、新しいアイデアを出す基盤を作ることができるのではないかと思っています。


ということで、『グランズウェル』を是非ご一読をくださいというお話でしたー:)





※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!
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