17 August, 2011
ソーシャルメディアが変えるこれからのマーケティング
ソーシャルメディアが可視化する影響力の概念がどのようなインパクトをもたらすのかを以前、『Kloutのようなサービスの意義と危険性』という記事で紹介しましたが、そのような影響力を可視化するサービスの中でKloutと並んで有名なPeer IndexのCEO、Azeem AzharがGigaOMにソーシャルメディアによってマーケティングがどのように変わっていったのか、またいくのかについて記事を書いていたのでご紹介。(Peer Indexについては詳しく『Klout?Peer Index? - オンライン上のアイデンティティを管理する上で有用な2大ツールを比較してみた』をご覧いただければ。)
Azeem Azharの論旨を以下に。
まず、なぜ、インフルエンサーが注目されるのか。インフルエンサーたちのもつ影響力、そしてその効果について以下のような説明をしています。
マーケターは以前から、消費者の中には他者の購買決定に強い影響をもたらすような人がいると信じていた。そして、そのような人物を特定し、ターゲッティングするべく様々な手法を実践してきた。そしてそれは事実であり、McKinseyは20−50%の購買は周りからの勧めによって発生していると推定していたし、アカデミックな場においてもこのような情報伝播が発生していることは既に実証されている。購入前に調べることが必要になる車や家電商品などは特に、それぞれに詳しい人からのアドバイスが大きな役割を果たしているとされている。
そのような事実があるにもかかわらず、インフルエンサーはマーケティングにおいて十分に注目されていませんでした。その背景には、2つの課題がありました。
まず、インフルエンサーという概念を構成するマクロインフルエンサー(芸能人や専門家など)とミクロインフルエンサー(消費者のもつ小さなネットワークの中で影響力をもっているひと)のうち、後者を特定することが困難であったこと。そして、彼らを発見したとしてもその管理が難しかったこと、です。
そんな状況を変えたのが、TwitterやLinkedInなどのソーシャルメディアであり、それらがもつ活発な情報共有の精神は、情報量の劇的増加をもたらし、ミクロインフルエンサーの特定を可能にしました。
さらに、ソーシャルメディアはインフルエンサーの特定のみならず、そのインフルエンサーがどの分野において影響力を発揮するのか、まで特定することを可能にしました。
常識的に考えて、車に詳しいと思われている人物に釣りのアドバイスを聞いたりはしないのであり、インフルエンサーを使ったマーケティングで成功を収めるためには、それぞれに応じたトピックについて注目することが必要です。
多く存在するインフルエンサーの中から”どの人物を選ぶのか”、”なぜその人物を選ぶのか”が情報を広めるためには重要であり、それらがそろって初めて、広めたい情報をより正しいターゲットにリーチさせることができるのです。
さらにそれが明らかになることによって、機会に応じた働きかけまでもできるようになりました。
このような状況は言い換えると、ソーシャルメディアによってインフルエンサーマーケティングが成功するための条件がようやく揃ったということを意味します。
だからこそ、インフルエンサーマーケティングの領域はますます勢いを増すことは間違いなく、マーケターはまたソーシャルメディアの隆盛によって、消費者の意思決定がこれまでのマーケティングの概念では説明できなくなっていることのみならず、そのマーケティングのあり方自身も変化の時を迎えていることを認識しなければならないのです。
【参考】
『The new marketing model: Peer index marketing — Tech News and Analysis』
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※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!