12 August, 2011

Appleはどのようにして"Innovative"で在り続けているのか。





Bloombergに以前掲載されていたAppleに関する記事が非常に興味深かったのでご紹介。

Appleといえば、そのInnovativeな製品で知られていますが、そのAppleにおける4段階の『デザイン・プロセス』をシニアエンジニアリングマネージャーが語っていました。

以下にそのプロセスを。

1. ピクセルパーフェクトな模型をつくる

これは非常に時間を要する作業ですが、これを行うことで漠然としている部分がはっきりとし、後々手戻りが発生することを防ぐことができます。


2. 10個から3個、3個から1個へ

模型を作る際には、それぞれに新たに考えられうる特徴をもった異なる模型を10個作ります。この10個は”次の段階に進む3個を念頭に入れた”10個では決してありません。
また、このように10個という数値を設定することによって、制限なく考えることを可能にします。後にこのうちの3個が選ばれ、その3個をそれぞれ数ヶ月にわたり磨いた上で最後の1つが決定します。


3. デザインにおける二種類のミーティング

これはAppleに特徴的なプロセスなのかもしれません。Appleのデザイナーチームは週に2回ほど、ミーティングがあるのだとか。1つは制限を忘れ、自由にアイデアを膨らませる”Go Crazy”なブレインストーミングのミーティングであり、もう一つは対象的なエンジニアリングチームとのミーティング。こちらでは、そのCrazyなアイデアがいかにして現実化していくかを議論していきます。このプロセスはもちろん、その進展によってバランスに変化はあるものの、どのような製品・アプリの開発の場合でも変わることはありません。このように開発の終盤になっても、クリエイティブなアイデアに対し、可能性を開いているというのがスマートな点でもあります。


4. ポニー・ミーティング

これはマネージャー層が「見たままに表示されるものがいい。メジャーなブラウザでしっかり機能するものがいい。」などそのアプリにおいて欲しいと思えるものの原型をつくる際のプロセス。彼ら各々がそれぞれに言いたいことを言い、しかも彼らのパワーというのは非常に強いため、間違った方向に行きかねません。
しかし、実はそれを解決する方法として、1〜3のようなプロセスが存在しています。
上述のプロセスによって彼らマネージャー層の要求を満たすものが出来上がっていることも多々あり、それによってマネージャーたちの理解も得られ、かつトップからみても間違いのない形でプロジェクトが進んでいくことになります。

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Appleにおけるデザインの高いプライオリティを上のプロセスからまさに感じられます。
自分に置き換えてみても、10個のそれぞれに最高のアイデアを考えるというのは非常に大変な作業ですし、それがもし上司の意向に沿わなければ白紙になりかねないというのもなんとも過酷。(4で想定するのは朝令暮改で有名なSteve Jobsでしょうか笑)

しかし、このようなプロセスを経ているからこそ、Appleの製品は狂信的なまでのファンを抱えているのでしょうねー。


【参考】
Apple's design process - BusinessWeek

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