16 August, 2011

レディ・ガガからマーケターが学ぶべき5つのこと



Lady Gaga  by Eva Blue (evablue)) on 500px.com
Lady Gaga by Eva Blue


いつも面白く、内容の濃い『Fast Company』のレディ・ガガを題材とした記事が非常に興味深かったのでご紹介。

レディ・ガガのファンとの向き合い方からマーケターが学ぶべき点をまとめてくれている記事でした。

筆者のLouis Marino氏は現在、広告代理店のチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めている人物ですが、前職はヒップホップからR&B、カントリーミュージックまでをカバーするレーベルで、そこ知ったミュージシャンたちのファンとの向き合い方からマーケターたちへのtake awayをまとめています。

彼がレディ・ガガを題材としているのは、彼女のファンとの向き合い方、コミュニティ構築がミュージシャンの中でも群を抜いているから。

具体的には、ソーシャルメディアに対する彼女の姿勢をまず挙げています。
彼女はソーシャルメディアを義務とは考えていません。彼女にとって、ソーシャルメディアは、ファンとのコンタクトを取るための、そしてそこにおける体験を提供するための重要な手段となっています。

レディ・ガガのような偉大なアーティストはファンを財布と見るのではなく、全てのファンが意義のあり、記憶に残るような体験をしていると確信がもてるよう全力を尽くのだとLouis Marino氏は指摘しています。

コミュニティを作る上で重要となる「信頼関係」の築く上でもレディ・ガガはLittle Monsterたち(レディ・ガガのファンの呼称)を称えるべく、”The Monster Ball”と名付けるといったことを行い、それに応えるようにファンも献身的な姿勢を示しています。事実、彼女のニューアルバムが発売された際には、あまりに多くのLittle Monsterたちが殺到したため、アマゾンのサーバーがクラッシュしてしまいました。


このようなレディ・ガガの成功を共に作っている熱狂的なコミュニティをブランドが作るためにはどうすればいいのか。Louis Marino氏は以下の5つの点を挙げています。


1. 似たような意思をもった個人をターゲットにする

性別などのデモグラフィックな要素に注目するのではなく、音楽など「興味」を共有したグループと関係性を築くことを目指さなければならない。そうすることで、彼彼女らが関心をもつような体験を適切に考えることができ、それがコミュニティの動きを加速させる。

2. 非難されかねない環境であれ

ガガとファンを結びつけているのは、外部からの非難だとLouis Marino氏はいいます。ガガのコミュニティを形成しているのはアウトサイダーたちであり、外から非難を受けやすいからこそ、彼らは結束し、強固なコミュニティをつくることができる。
ブランドも、自分たちの存在意義を正直にオープンに打ち明けることができれば、ファンはより強い献身を見せてくれるはずだ。

3. 顧客をボスと捉える

ガガはスターですが、彼女はファンのためにレッドカーペットを敷いている。
彼女はいつもファンを賞賛する方法を探している。ブランドも同じことをしなければならない。顧客を最優先にしなければ。
彼らの夢を叶えることがミッションであれば、顧客はあなたの周りに集まり、強力なコミュニティを創りだす。もし、そのようなことができなければ、彼らを理解することも彼らの生活の中に入っていくこともできない。

4. 協調的な体験を創りだす

成功しているアーティストは、日常的にファンが必要であり、ファンも彼らが必要だという状態ができている。
そのためには、体験を共有することが重要であり、ソーシャルメディアによって、これは非常にやりやすくなった。
TwitterやFacebookによって、消費者はコミュニティのダイナミクスの一部となっていることを感じられやすくなっている。

5. コミュニティを通じて、成長する

素晴らしいアーティストは、ファンのおかげで成長できたと口を揃える。顧客によって会社として、ブランドとして成長するというのは全ての会社のミッションにも当てはまるべき。
---

考えてみれば、AppleやStarbucksのようなブランドというのはまさに上記の5つを成し遂げているのではないかなと感じました。
また、最近ファンから非難を浴びている声優、平野綾さんが以前、Twitterはライフラインだと述べていたのですが、まさに同様のことがこの記事では書かれており、驚きました。(彼女の場合、その言葉ゆえ一部のファンの誤解を招いてしまったようですが。)

また、個人レベルで考えてみても、先日ブログが閉鎖されてしまった『ニートの海外就職日記』さんなどまさに強力なコミュニティを作れていたゆえ、それと同等に強い反発を生んでしまったのではないかと推察します。(→詳細は『Togetter - 「海外ニートさんblog閉鎖?騒動」』から)
閉鎖は非常に残念でしたが、一般個人であってもそのようなコミュニティを築くことができるBlogやTwitterなどの新しいメディアの可能性の感じるとともに、それがよりよい形で利用されていくようにしていかねばと改めて感じました。


【参考】
5 Things Lady Gaga Can Teach Marketers About Community Building | Fast Company



※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!
\