01 July, 2011

Google+が有用なソーシャル・サービスになるのではないかと期待する3つの理由





まだリリースされたばかりのサービスであり、現状から断定することは難しいですが、主にFacebook、Twitterとの比較から期待できるのではないか、と感じたことを3つに分けました。


1. 人の多面性を管理しやすいサービスである

1つ目は以前紹介した『ソーシャル・ネットワークからソーシャル・サークルの時代へ?』の話。

Mark Zuckerburgのいう、『個人のアイデンティティーはひとつであり、二つのアイデンティティーを持とうというのは誠実さに欠けている。』に僕は違和感を感じています。

広島を愛するクラスターはカープとかお好み焼きが好きなクラスターとは類似点が多いかもしれませんが、そのクラスターと例えばテクノロジーやデジタルが好きなクラスタとの類似点は多くないはず。

これまでのサービスでそのような点を許容するものはなかったため、今までの僕のケースであれば、それは利用するプラットフォームで分けていました。(Facebookの自分とTwitterの自分、Twitterサブ垢の自分、mixiの自分は全て違っています。)

ただ当然ながら時間がかかるわけで面倒くさい。
それがGoogle+なら単一プラットフォームの中でできるわけでそれだけでかなり価値があるのではないかと。

同じくZuckerburgは『人はリストを作るなんて面倒くさいやらない』と言っていたのですが、それはFacebookが、とりあえず繋がっておく電話帳とようなサービスであるからで、そのようなインセンティブ構造を作れば絶対そんなことないのではないかと思っています。


2. ユーザービリティ

FacebookもTwitterもアプリを除き、それぞれのサービス内(facebook.com、twitter.com)で機能するサービスであり、どちらもサービスへのアクセスの起点を広げることに躍起です。
Facebookはブラウザ『Rockmelt』と組んで、ブラウザからFacebookにアクセスしましたし(『ソーシャルブラウザRockMeltがFacebookと提携して事実上の「Facebook公認ブラウザ」に』)、TwitterはiPhoneと組みました。(『iPhoneがTwitterと連携強化 Facebookに痛手』)



それに対し、Google+は様々現状でもgmailやGoogle
Readerを見ていながらNoticeが表示されます。さらに、Chromebookが出ればブラウザ連動を、いずれはAndoroidともシームレスに統合されるはず。

これは様々なサービスを展開しているGoogleだからできることであり、それによるユーザービリティの向上はサービスの成長に大きな影響をもたらすはずです。


3. 情報キュレーション

これもFacebook、Twitterの最近の顕著な動きのひとつですが、両者ともに他メディアとの連動に力をいれています。(Facebook
Journalism ProgramやTwiitter for Newsroomなど)
さらに、LinkedInも『LinkedIn Today』というキュレーション・サービスを始めています。

このような一連の動きはソーシャルメディア上にある情報の質をいかに高めていくかというアジェンダに沿ったものだと思うのですが、それを最もうまくできるのもGoogle+なのではないかと考えています。

なぜなら、その他のサービスはそれぞれのユーザーの特質がそのような動きを許容しないと思うからです。
FacebookユーザーはZuckerburgの思想通りであれば、『アフリカで人が死んだことより家の玄関でリスが死にかけていること』の方により関心があるユーザーたちであり、そのような多くのユーザーにとって情報の質などという話題は無縁なはずで、それをするのであれば他のサービスを使うはずです。
一方でLinkedInはそれができるユーザーであり、Todayはかなりサービスの浸透に寄与しているのではないかと思っています。
Google+に搭載されている『Sparks』はLinkedInのような真面目な一面を取り込みつつ、Facebookのエンターテイメントやゴシップ好きなユーザーも出し分けによってしっかり取り込むことができますのではないでしょうか。

さらに、ソーシャル・キュレーションにはフィルター・バブルという危険もあるので(→『インターネットを使う人が知っておくべきこれからのインターネットがもつ秘密:Don't be lame』)、従来的な検索技術にソーシャル要素を組み込むGoogleが最もバランスいいのではないかとも。

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新しいサービスについていろいろ思考をめぐらせるのは楽しいですねー。
どうなっていくやら:)



※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!
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