先日のオサマ・ビン・ラディン氏死亡のニュースはTechcrunchによると、ピークの持続時間で過去最高になるほどのイベントでした。(→『ビン・ラディン死亡のニュースは3時間35分にわたって3000ツイート/秒以上を記録』)
そんな中、GIGAOMの記事が非常に興味深い分析をしていたのでご紹介。
オサマ・ビン・ラディン氏死亡のニュースがソーシャルメディア上で、どのように伝搬していったかを分類し、フレームワークを提示しています。震災の際にもユーザーによる適切な情報判断が問題になりましたが、非常に有用な判断材料になるのではないかと思います。
以下、拙訳。
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先日、世界中に衝撃を与えたオサマ・ビン・ラディン氏死亡のニュース。
ロイヤル・ウェディングよりも、エジプトやリビアの現状よりも世界的な出来事であるが故、それがTwitterやFacebook上でどのような風に伝搬したのかを分析することはソーシャルメディア時代の情報伝播のメカニズムを知ることに繋がるのではないだろうか。
多くの人がそのニュースをFacebookやTwitterを通じて知り、その中には情報源をテレビに切り替えた人もいれば、ホワイト・ハウスやアルジャジーラ、CNNのライブストリーム、あるいはTwitter上でのさらなる情報検索を行った人もいた模様。(オバマ大統領のスピーチの最中には1秒間に4,000もの投稿が行われたとか。)
So I'm told by a reputable person they have killed Osama Bin Laden. Hot damn.
Keith Urbahn (@keithurbahn) による上の投稿で最初にもたらされたニュースがその後どのように伝搬していったかを分析すると以下の7つのステップに分けられる。
1. Excitement -興奮-
興奮と大きなニュースを最初に伝えたというスリル感とともにこのニュースは多くの人がつぶやいた。
2. Uncertainty -半信半疑-
そのニュースが伝えられてすぐ、そのニュースは本当なのか疑いの目で見るものが現れた。その中には信頼のおけるニュースが報じるのを待つ者や大統領からの声明を待つ者もいた。
NY Times has NOT yet reported Osama Bin Laden is dead, so stop retweeting that folks. @dabeard @mathewi
3. Searching for Validation -確証を求めて-
そのニュースが本当であってほしいという願望と誤報であったという畏れの間で、 人々はアルジャジーラやNew York Timesを信じてやまないものや疑っていた人々に対して冷笑を浴びせるものなどが現れる。
4. Confirmation -立証-
ホワイト・ハウスが正式に発表。そして、その意味やデータについての論考を探し始める、また品のないジョークを横行しはじめる。
5. Jokes, Profits and Platitudes -ジョーク、利益を得ようという試み-
確かな情報だとわかった後、ジョークが多く出回り、またドメイン取得やTwitterでのアイデンティティーを通じて利益を得ようというものもいた。(@ghostosamaなどが好例)
Googleもしばらくの間、Googleマップ上にビンラディン氏が殺害された場所を表示させていた。
6. Action -行動-
ここがFacebookやTwitterといったソーシャルメディアがもっとも輝いたステージである。友人たちからより情報を集めようとする人々の関する投稿やサイトのウェブカメラからグランドゼロで開かれているかを探ろうとするものまで人々はニュースを知り、行動に移し始め、そのためにソーシャルメディアは使われた。
Anyone know where Osama was killed? I wanna check into @Foursquare there.
Watching the live ground zero web cam. Will people gather there tonight? http://bit.ly/DKBcl
7. Real Analysis-現場での分析-
これはブログや新聞記事のリンク以外にTwitterでは行われ得ない。140字では誰も地政学について語れない。
おそらく、今わたしたちはソーシャルメディア時代の情報伝播は上のようなステップを踏むことを認識すること、あるいはより厳密なものを考える時期に来ている。そうすれば、何かことが起こったとき、このフレームワークに当てはめ、今われわれがどのステップにいるのかを認識することができるようになる。
ジャーナリストはしばしばスクープやニュースについて知るが、報道を行う前に同じような判断をしなければならない。
しかしながらTwitterは当初はただのゴシップと思われていたものがニュースの性質を帯びることがある。にもかかわらず、情報の受け手として、それが本当なのか妄想なのかを一目で判断する方法が存在していない。ソーシャルメディア時代の今、そろそろジャーナリストだけでなく私たち自身もニュースについて判断するツールが必要なのではないだろうか。
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【参考】
『The 7 Stages of News in a Twitter and Facebook Era』
Kenichi Nishimura (@nike1125)をフォロー