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以前、「次のウェブ・トレンドを作るのは新興国だと思う。急発展するインドネシア」にて、今後のウェブ・サービスのトレンドを決めるのはマーケット自体ではないかと書きました。
そして、それをまさに体現しそうなサービスの本命は中国版Twitter『新浪微博(Sina Weibo)』だと思っています。おそらく、Sina Weiboは数年以内にTwitterを世界的な浸透率で超えるはず。
Sina Weiboの最近の躍進について少し触れておくと、今年3月にはユーザー登録数、1億人を突破しており、Resonance Chinaによるとトラフィックも急増している模様。(『中国最大のTwitter風サービス「Weibo」、ユーザーが1億人を突破 : IT業界動向』)
さらに、Twitterで最もフォローを集めるLady Gagaのフォロワー数は950万人ですが、Sina Weiboで最もフォロワーの多い女優、姚晨は770万人のフォロワーを集めています。
また、中国の英字紙、China Dailyは、日本の2010年が「Twitterの年」であったのと同じく、中国の2010年は「Sina Weiboの年」だったと述べているようです。
ちなみに、中国におけるSina Weibo成長の背景には、人々の意見を集めることができ、かつ監視することもできるため、それらを政策立案に活かしていきたい中国政府の意向というのも大きく左右している模様ですが、日本におけるTwitterと同じく、企業にとっても非常に有益なツールとして認識され、さかんに使われているようです。(一例→『[翻訳News] 中国の2大ソーシャルWeibo(新浪微博)とRenren(人人網)を使ったメイベリンの中国マーケティング戦略 | Startup Dating [スタートアップ・デイティング]』)
さて、Sina WeiboがTwitterを超えていくと僕が考える理由は、以下の3つ。
1. 中国のマーケットとしての重要度を映すかのように、海外からの利用が増えている。
具体的に、Sina Weiboを使っている海外の著名人としては、トム・クルーズは48万人以上のフォロワーを獲得しており(Twitterのフォロワーは150万人)、ビル・ゲイツやNBAプレーヤーレブロン・ジェームズは100万人を超えるフォロワーを既に獲得しています。
これは間違いなく、今後も増えていくと思われます。
2. Sina Weiboの海外進出はまだまだこれからであり、浸透しやすいマーケットが多く存在する。
現状では、Sina Weiboは海外での認知はほとんどありませんが、しかしながら、今後展開していく姿勢を見せています。
Twitterのようなアメリカのサービスが海外に進出するためには、それぞれの言語、文化に合わせるローカライズが必要になります一方で、『Chinese everwhere』と揶揄されるように海外に住む中国人は3500万人以上に上り、台湾、香港、シンガポールなどはローカライズのコストもそこまでかからないマーケットでもあります。
3. 携帯電話への搭載の標準化を推し進めている。
Facebook携帯やTwitter携帯などソーシャルメディアサービスの携帯標準機能化が推進されていますが、Sina WeiboもChina Mobileとともにそのような商品、アプリケーションの開発を進めており、それが達成されればChina Mobileの携帯を使うユーザーが800万人を超えるインド・マーケットでの浸透もみえてきます。
以上のような3つの要因は世界的なレベルで強力なネットワーク効果を呼び起こす可能性が非常に高く、Twitterを数年以内に追い越す可能性は十分にあると思われます。
当然ながら、期待されるようなシナリオがそのまま進むことはないでしょうが、仮にSina Weiboが世界中でインフラとなるような時代が来るとすれば、現在のような西洋偏重な世界の秩序も大きく揺らぐのではないかと思います。
これからどんな展開をしていくのか楽しみでなりません:)
参考:
『Will The World Be Sina Weibo’s Oyster?』
『中国版ツイッター「新浪微博 Sina Weibo」って? - NAVER まとめ』
『メディア・パブ: 中国版ツイッター「Sina Weibo」、爆発的な勢いで成長』
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