22 June, 2011
組織と個人の関係性はこれから大きく変わらざるを得ないという話
『guardian』に上がってた記事が面白かったのでそこから感じたことなど。
その記事は(こちら)はざっくり要約すると、大学の全体としてのブランド管理やマーケティングがトップダウンで管理できるものでなくなっており(受験生でも学生の様子などをソーシャルメディア上で見ることができるため)、また学生の管理(ネガティブな情報発信)などをすることは到底できないため、大学間の競争が激化しているにも関わらず、大学のブランディングは難しい環境下におかれているといった話だったのでした。(詳細は是非直接読んでいただければ。)
読んでみてソーシャルメディアがもたらすこれからの社会について以下の2つのことを感じました。
(今更感ありありですが。)
1. 一部から全体への機能移動
これまで組織の管理はそれぞれの役割を担っている人々に分担され、機能していました。しかし、ソーシャルメディアの隆盛によって広報やマーケティング、ブランディングはもはや中央集権に特定の人たちによって行われるものではなくならざるを得なくなりました。それにかわって、組織に属する個人全員がそれらに関わることになり、いつ何時でも誰しもが所属する組織全体の代表となりかねない状態へとなってきています。この点を組織に属する個々人にしっかりと理解してもらわなければ組織としての観点からみると迂闊としか考えられない発言を個人がしてしまうという現状はいつまでもかわりません。
2. 上から下へのパワー移動
役割の一部を剥ぎ取られた組織の観点からみて、個々人を少しでも管理していく方法は2つ。ひとつは(ガイドラインなどによる)基礎的なリテラシー研修・教育であり、もうひとつはそもそもそのような迂闊な発言・考えの種をまかないこと。すなわち、基礎的なリテラシーをもった個人がもつ不満を内部で解消すること、予防することです。
Zapposのように従業員の満足高く働いている組織は外部にポジティブな情報を発信することになり、それがよい循環をもたらすことになります。対照的に、組織がもし彼らの満足度をおざなりにするようなことがあればそれは組織内にいつ爆発するかわからない爆弾を抱えることになります。
そのようなことを組織全体が意識することによって、個人・組織が互いにより気持ちの良い新たなWin-Winの関係を結ぶポテンシャルがソーシャルメディアというツールにはあるのではないかと思いますし、そのような社会の実現に向けてクライアントさんのお手伝いができればと思っています。
個人的にはソーシャルメディアによってZapposのような従業員、顧客の両方から愛される企業(かつ従業員全員がソーシャルメディアを責任もって活発に活用する企業)がどんどんと出てくるのではないかと期待していたり。
(Zapposについては以下の『Best Job Ever』などでも紹介されています:D)
【参考】
『Social media presents challenge to universities | Education | The Guardian』
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※こちらの記事はTMHブログポータル(http://www.tribalmedia.co.jp/blog/)の方にも転載いただいております!