16 June, 2011
web 3.0のカタチ:誰もが発信できるwebの次にある3つの道
朝、現在進行しているソーシャル化について考えていることを書いたのですが、先日のReadWriteWebに『Blogは死んだ。』というセンセーショナルなタイトルの記事があったので、それについて紹介しつつこれからのwebのあり方を考えてみたいと思います。
記事中にあった表現から『web 3.0』というキーワードを使ったのですが、Tim O'Reillyの『Web 2.0』という表現が流行った5年前にその次は、という形で使われた単語です。
『web 2.0』という概念をWikipediaから『送り手と受け手が流動化し誰もがウェブを通して情報を発信できるように変化したwebの利用状態のこと』と定義すると、FacebookやTwitter、Youtube、Ustream、Instagram、Foursquare、Tumblrとその発信チャネルが豊富に出揃った感のある現在はまさにその極みとも考えられるかもしれません。事実、以下のインフォグラフィックにあるように、たった1分間で世界中で膨大な量の情報がやり取りされています。
この次の方向性として考えられるのは、大きく分けて以下の3つ。
1. それらの情報を統合的に利用していくという方向性
2. オープンからクローズドへの進化
3. 誰もが発信するwebから専門家のwebへ
今回は3について書きたいので、1,2は以下で軽く。
1.は現在、FacebookやTwitter、Instagramといったサービスはそれぞれに独自のエコ・システムを形成していますが、それが拡大し、それらの情報を組み合わせて利用することが増えていくのではないかと思います。
まだ数は少ないですが、最近ではKloutがLinkedInをスコア算出に含め、Twitter、Facebook、LinkedInの3つのプラットフォームにおける統合的な影響力を算出するようになりましたし、『SOUR / MIRROR』なんかもTwitterとFacebookから情報を引っ張ってきていたりしました。
2.は以前、『ソーシャル・ネットワークからソーシャル・サークルの時代へ?』で紹介したような情報の出し分けが行われていくという見方。単純にいえばPathなどの方向性。
これに関しては、@ststgc』くんの記事、『Twitterなんか真剣にやるもんじゃないからみんなPathを真剣に使おうよ、という話。 』などが参考になるのではないかと思います。
さて、3ですが簡単に言えば、Quoraのような『Expertise Media(専門家によるメディア)』が次の方向を示すモデルなのではないかという考え方。
最近、以下の記事などがはてなで注目を集めていましたが、web2.0になり、誰でも発信・表現ができるようになり、様々な情報が蓄積する中でそれらをうまく処理するGoogleの検索技術やUGCメディア(User Generated Contents)が非常に重要な存在となりましたが、そのような量を求めるwebはQuoraのAdam D'Angelo氏が言うように、『Web is a Mess』といった状態にあり、『食べログ』のようには全てが平均的な評価に収まってしまうといった事態が生まれています。
『SEOの終わりとソーシャルとnanapiのコンテンツの未来 - ロケスタ社長日記 @kensuu』
『sutebuu survival: Quora創業者の話を聞きながら思ったこと』
『TECH SE7EN : 検索エンジンとしての限界、Googleに求められる変革』
『「いい店は探せない」食べログはもう破綻?!:ネットバー:ITmedia オルタナティブ・ブログ』
もちろん、そのような表現を自由にできるブログやTwitterといったものが消失するわけではないのですが、webでも専門家の意見が重要視されるようになり、より大きな比重を占めていくのではないかという考え方になります。データの量から質を抽出するのではなく、最初から質を重視していこうといったところ。
「これからどうなるのか?」、というのは非常に面白く、かつ難しい問い。
もし、ご意見などありましたら、コメントいただければとうれしいです:)
【参考】
『Jason Calacanis: "Blogging Is Dead" & Why "Stupid People Shouldn't Write"』
Follow @nike1125